ROBOT(ロボット)は、チェコの実業家・ヨゼフ・ザジチェクによって設立された、ヨーロッパ中東部の内陸に位置するチェコ共和国の日本未上陸のマイクロウオッチブランド。 当初はボヘマティックという名前で運営されていたが、世界の時計シーンに参入するにあたって、モンブランの コレクションと名前が似ていたことから後にブランド名を“ロボット”に変更している。あまり知られていないが“ロボット”の語源は100年以上前のチェコに遡り、チェコの作家である、カレル・チャペックが、戯曲『ロボット RUR』で使用した言葉がその後、世界的に知られるようになったそうだ。
技術、勤勉さ、クラフツマンシップへの情熱を持つロボットはプラハから東へ約150kmに位置するノヴェー・ムニェスト・ナト・メトゥイーにある時計工房を拠点としており、少量生産でユニークな時計を生み出している。時計製造のプロセスについては、スイスのパートナーと協業で製作されているようだ。ケース・裏蓋・ベゼルなどの時計部品は社内でゼロから設計されている。デザイン・プロセスはアイデアから始まり、そこからスケッチ、3Dモデル、2Dの製造図面へと移行する。 ケース、ベゼル、裏ブタなどのパーツはスイスでヨーロッパ原産の素材から機械加工され、ロボットの工房で手作業で仕上げが行われる。 ムーヴメントもスイスから供給されており、各モデルのために特別に設計された高品質のスイス製ムーブメントを搭載している。
ROBOT(ロボット)
アプロス
最初に紹介する “アプロス”は美しさとシンプルさを重視して生まれたモデル。エレガントな白いドット模様の文字盤が特徴だ。質感が異なる滑らかなポリッシュ仕上げのシルバーケースが時計全体のデザインバランスと調和を生み出している。 細身のフォルムのシルバーのインデックスと針がマッチしており、鮮やかなブルーの秒針は絶妙なアクセントを添えている。カレンダーは、4時位置から5時位置の間に配置されている。
ケースサイズは39.4mm、厚さ10.3mm。 ムーブメントはラ・ジューペレ製の機械式自動巻きムーブメントをベースにしたCal. ROBOT Aplosを搭載。手縫いのレザーベルトを設置して、カラーバリエーションは9色から選択可能だ。販売価格は2470ユーロ(39万3000円)。
ROBOT(ロボット)
エアロダイナミック
“エアロダイナミック”はチェコのデザイン史に大きな功績を残し、世界初の空気力学的形状の量産車としても知られるタトラ 77 をモチーフにしたモデル。1930 年代初頭まで、鋭いエッジと直角が車やオートバイのデザインを支配していたが、このタトラは後に一般的となる空気力学的形状を採用しらカーデザインの先駆けとなったとされている。ケースはPVD加工とサンドブラスト仕上げを施したチタン製でサイズは39.5mm、厚さ12.2mm。
スイスのラ・ジュー・ペレ製の手巻きムーブメントをベースにしたCal. ROBOT Aerodynamic を搭載し、8日間のパワーリザーブを備えている。風防はサファイアクリスタル製で、ケースには手縫いのレザーベルトを設置。 カラーバリエーションは5色から選択可能で、販売価格は6730ユーロ(約107万円)だ。
ROBOT(ロボット)
グラフィックアナログ
グラフィック デザインに敬意を表したモデル。文字盤と針のオリジナルのコンセプトは、チェコを代表するタイポグラファー、ラデク シドゥンの作品を元にしている。一見するとダイオードやクリスタル ディスプレイが登場する前のデジタル機械式時計を思わせるが、鉄道駅、空港、プラハの地下鉄にあったフリップ時計と印刷されたフリップ プレートを備えた案内板をもう 1 つのインスピレーションの源としている。
サンドブラスト仕上げを施したステンレススチールを採用し、サイズは直径42mm、厚さ12mm。 スイスのラ・ジュー・ペレ製の手巻きムーブメント 、G100 LaをベースにしたCal. ROBOT Analogを搭載し、68時間パワーリザーブを備えている。風防はサファイアクリスタル製で、ケースには手縫いのレザーベルトを設置。 カラーバリエーションは5色から選択可能で、販売価格は3200ユーロ(約50万6775円)だ。
》ROBOT(ロボット)
公式サイト
https://robot-watch.com/
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
【関連リンク】
■【10万円台でコスパ最強の復刻ダイバーズウオッチ】これがカラーダイアルの究極形かも、 MIDO(ミドー)のオーシャンスター デコンプレッション ワールドタイマーに注目
■【8万円台でこの質感はヤバすぎる】SEIKOメカクォーツ搭載、アベンチュリン文字盤の限定クロノグラフ【国内では限定150本】
■【価格破壊ウオッチを実機レビュー】COSC認定で600m防水、MIDO(ミドー)のオーシャンダイバー最上位モデル