今回のテーマは、サブマリーナーの象徴でもある回転ベゼルについて取り上げる。ロレックスがお好きな人からしたら、何を今さらと言われるかもしれないが、この回転ベゼルについては、あまりよくわかっていない人は意外に多い。
じつは6月中旬頃にこのロレックス通信ではないが、「夏にこそ似合うダイバーズウオッチ。その回転ベゼルはなぜ右回転できないのか?」(関連記事参照)と題した記事を書かせていただいた。
これが想像以上に反響が大きく、知らない人がけっこういるんだとあらためて驚いた次第。そこで本ロレックス通信でもサブマリーナーの回転ベゼルについて、おそらくはロレックス好きの人以外は知らない(興味がない)であろう、逆回転防止機能について触れたい。
さて1953年に誕生したサブマリーナーだが、回転ベゼルを装備する今日のダイバーズウオッチの基本形となったことはみなさんもご存じのとおり。ただ、いまでこそダイバーズウオッチにとって必須となる逆回転防止機能については、じつのところ最初からあったわけではない。
装備されるようになったのは、デイト表示が設けられた初のサブマリーナーデイト、Ref.1680の後継機で、1979年に登場した第2世代となるRef.16800からである。つまりサブマリーナー誕生から約26年後のことだった。
そしてこのレファレンスから自動巻きムーヴメントは毎時1万9800振動から2万8800振動へと大幅にハイビート化され、日付の早送り機能(クィックチェンジ)も装備されるなど実用性が高められたCal.3035が搭載された。
さらにはプラスチック風防からサファイアクリスタル風防に変更され、防水能力も200から300m防水になるなど、正直なところ歴代モデルの中では注目度の低い存在だが、いわゆるサブマリーナーの次の世代を担うモデルとして登場したレファレンスなのである。製造期間は88年頃までとそれほど長くはない。
参考までに現在の実勢価格を調べてみたところ、120万円から200万円で150万円前後が中心。85年頃からドットインデックスにメタルの縁取りが施されており、そのフチがあるものは120万円ぐらいからで程度がいいと150万円、夜光のトリチウムがきれいに飴色に焼けているとさらに高額になる。
一方のフチ無しだと150万円以上。こちらも夜光のトリチウムがきれいに飴色に焼けてアンティークの風合いが強いものは人気が高くそのぶんさらに高額になる傾向だ。
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