Nodus(ノダス・ウォッチ)は、アメリカ西海岸・ロサンゼルスを拠点とする日本未上陸の独立系マイクロウオッチブランド。中学と高校の同級生である、ウェズリー・クウォックとカレン・チェンが2017年に設立している新鋭だ。この2人が時計作りの道に入るきっかけは、高校の卒業祝いに親族から腕時計をもらったことから始まる。時計というプロダクトに魅了された彼らは、ビールを飲みながら数え切れないほどの会話を交わし、自分たちの腕時計をデザインするようになる。
その後も時計に対する情熱はさらに高まり、自分たちで製作した時計のデザインを手にアジア圏の時計製造工場を見て回ったクウォックとチェンは、自分たちの時計ブランドを立ち上げるというビジョンを具体化していく。クウォックとチェンは、多くのマイクロウォッチブランドが利用するクラウドファンディング・プラットフォームを利用するのではなく、自分たちで資金を調達し、2017年にノダスを創設。世界的なハブとして機能しているカリフォルニアの地位を利用して、アジア圏の部品生産者と連携した強力なサプライチェーンを構築しており、世界中からの材料と技術を使用して、アメリカ・ロサンゼルスにある、ノダスの工房で組み立て、調整、テストが行われている。ちなみに、“Nodus”という言葉はラテン語の“交差点”に由来している。ノダスでは、このブランド名が意味するように、形と機能をシームレスに融合させており、価格以上の質感と機能を備えたツールウオッチを展開しているのだ。
デザインの特徴は派手さや過度な装飾を採用せずに、機能的でクリアな時計であるという点。また、時にヴィンテージの時計からインスピレーションを得ながら、ヴィンテージとモダンの中間とも言えるデザインを生み出している点だろう。このデザインコンセプトは文字盤に象徴されており、不必要なデザイン要素を取り除きながら、しっかりと個性を備えたノダスならではのスタイルを備えているのが魅力的だ。今回はアメリカ西海岸より、ノダス・ウォッチコレクションから2つのモデルを紹介する。
Nodus(ノダス・ウォッチ)
セクターGMT
最初に紹介するセクターGMTは二つのタイムゾーンを直感で把握できる旅のパートナーに最適な時計だ。 視認性の高いアラビアインデックスをレイアウトした文字盤は、外周に12時間表示、内側にGMT針で時間を表示する24時間表示を備えており、タイムゾーンを素早く設定し、瞬時に確認することができる。
ケースサイズは38mmで厚さ12.25mm。316Lステンレススティール製のケースにはサファイアクリスタル風防、ねじ込み式リューズが設置され、100m防水が確保されてる。 ムーヴメントはセイコー(TMI)の自動巻きキャリバー、NH34を搭載。アメリカ・シカゴにあるホーウィン社製レザーベルトが設置されている。セクターGMTは2色展開となっており、販売価格は450米ドル(約6万4937円)。
Nodus(ノダス・ウォッチ)
セクター・ディープ
次に紹介するのは、ダイビングツールに特化したセクター・ディープ。 ブラスト加工を施した38mm幅のステンレススチールケースに 、ブラックDLC加工を施したスチール製回転ベゼル(42mm幅)を備え、ダイビンググローブを着用したままでも優れたグリップ力を発揮することが可能だ。ケースバックとサファイアクリスタル風防の厚みを既存モデルの2倍以上にすることにより、500mに達する防水性を実現している。
デザインと機能の両面で個性を確立しているのが、二重機能レイアウトを採用した逆回転防止ベゼルだ。外側の60分トラックで経過時間を計測し、内側の12時間トラックでセカンドタイムゾーンを表示。60 分のトラックはハードブラックの DLC コーティング、12 時間のトラックは PVD グレーでコーティングされており、機能的かつ見た目にも美しい色のコントラストを実現している。視認性に優れたインデックスにより、水中でも水上でも読み取りが簡単だ。
セクター・ディープにはダイバーに好まれる、レフトハンド仕様のモデル、セクター・ディープ・デストロもラインナップされている。リューズはケースの左側にあり、左手首に装着する場合、動きを妨げない仕様になっているのが特徴だ。無論、左利きの時計ユーザーにとっても使いやすい仕様でもある。いずれもケースサイズは38mm(ベゼルを含めると42mm)で、厚さ13.6mm。ケースは316Lステンレススチール製、裏面に反射防止コーティングを施した分厚いサファイアクリスタル風防、ねじ込み式リューズを装備し、500m防水を確保している。 ムーヴメントはセイコー(TMI)製の 自動巻きキャリバー、NH35を搭載。セクター・ディープは2023年7月7日より発送を予定しており、販売価格は599米ドル(約8万6438円)となっている。
》Nodus(ノダス・ウォッチ)
公式サイト
https://www.noduswatches.com/
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
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