アルピエム・ウォッチ(ARPIEM WATCHES)はモーターレースの黄金期と言える1960年代から70年代にかけてのメタリックでありつつノスタルジックな世界を時計のデザインで表現したフランス発の日本未上陸ブランド。 ブランド名の“アルピエム”は、“Revolutions Per Minute(エンジンの回転数“rpm”)に由来している。35年以上にわたってモーターレースに人生を捧げた経歴をもつヴィンセント・レプーにより、2018年にアルピエム・ウォッチは創設されている。
アルピエム・ウォッチを立ち上げにあたり、レプーは“レーシング”と“ヴィンテージ”の特徴を、色や仕上がりによって表現して腕時計として具現化していくことを思索する。1960年代から70年代はロマンティシズムに溢れた時代であった。当時、レーサーたちはリスクに直面しながらも騎士道精神をもち、瞬間を生きながらレースに臨んでおり、レーサーが乗るマシンも作り手の個性が強く反映したものであった。創業者のヴィンセント・レプーは、その時代のモーターレースの世界に触れた経験をもち、そこから得たインスピレーションを時計デザインに落とし込んでいる。
アルピエム・ウォッチ(ARPIEM WATCHES)
トリビュート・クロノTCS
最初に紹介する“トリビュート・クロノ”は、モータースポーツの情熱を表現しつつもヴィンテージな雰囲気を持ちあわせたクォーツクロノグラフだ。 このコレクションは色違い8種類の展開だが、それぞれストーリーがあり、それぞれ勇敢なレーサーとその象徴的な車、伝説のレース場、記録が破られ新しい記録が打ち立てられた歴史的なレースなどに敬意を表したストーリーとなっている。 この“TCS”は、世界で最も権威のある自動車レース、ル・マン24時間レースが毎年開催される“サルト・サーキット”に敬意を表したモデル。13.6 km (1923 年のオリジナル版では 17.3 km) という並外れた長さ、2 つのシケインが導入される前に 405 km/h の速度記録が記録された世界的に有名なミュルザンヌ ストレートなど、ユニークな特徴から得たインスピレーションを時計のデザインに落とし込んでいるそうだ。
ケースサイズ41mmで素材には316Lステンレススチールを採用。文字盤は3層のサンドイッチ合金構造が採用されており、このデザインはクラシックなレーシングカーのフレームに由来。サブダイヤルのデザインは1960年代の自動車のマノメーターにインスパイアされている。 ムーヴメントはスイスのロンダ社製Z50クォーツを搭載。サファイアクリスタル風防を設置し、100m防水が備えられている。
8種類のカラーバリエーションでストラップは、レザー、ナイロン、シリコン、ステンレススチール、ミラネーゼメッシュから選択が可能。裏ブタにはシリアルナンバーがエンボスされている。限定生産で販売価格は、329ユーロ(約4万9千円)。
アルピエム・ウォッチ(ARPIEM WATCHES)
レースマティック TBML 2
次に紹介する“レースマティック”は、先に紹介したトリビュート・クロノの進化系に当たるモデルだ。3層構造の文字盤、1960年代から70年代のモータースポーツを象徴するサブダイヤルなど、基本的なコンセプトやデザインを前作から踏襲しているが、自動巻きムーヴメントを搭載している。この“TBML 2” は、マクラーレンチームの創業者でもある伝説的ドライバー、ブルース マクラーレンに敬意を評した時計の最新仕様。カーボン仕上げの文字盤には、彼の 4 回のグランプリ勝利のうち 2 回の勝利が記されている(一つ目は 59 年のアメリカでの勝利で、彼はデビューからわずか 1 年後、当時 22 歳で最年少の GP 優勝者となった。二つ目は68年のスパ・フランコルシャンでの最後のGP勝利で、彼は自身のデザインした車を駆って勝利を収めた)。文字盤の下部には、彼の母国ニュージーランドの象徴であるキウイのシルエットがデザインさえている。
ケースサイズは42.5mmで、素材には316Lステンレススチールケースを採用。文字盤デザインは1960年代の車のマノメーターからインスピレーションを得ており、ムーヴメントはパワーリザーブインジケーターを備えたミヨタの自動巻き、Cal.9132を搭載。 風防はサファイアクリスタル製で、100m防水を確保している。 3種類のカラーバリエーションがあり、ベルトは、レザー、ナイロン、シリコン、ステンレススチール、ミラネーゼメッシュから選択が可能。裏ブタにはシリアルナンバーがエンボスされている。限定生産で販売価格は、589ユーロ(約8万7千円)だ。
》アルピエム・ウォッチ(ARPIEM WATCHES)公式サイト
https://www.arpiem.fr/en
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
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