ロレックス|コスモグラフ デイトナ
腕時計の歴史においてこれまで数々の偉業を成し遂げているロレックスだが、そのほとんどが3針モデルばかりで、クロノグラフウオッチに至っては残念ながら見当たらない。1950年代にはエクスプローラー、サブマリーナー、そしてGMTマスターといった傑作を生み出していたロレックスだったが、ことクロノグラフウオッチについては苦戦を強いられていたようだ。ちなみに、先のスピードマスターで触れたNASA装備品テストにロレックスから出されたクロノグラフはデイトナではなかったらしい。
そんなロレックスが1963年に新たなクロノグラフとして誕生させたのがコスモグラフ デイトナである。コスモグラフは“Cosmic”と“Chronograph”を組み合わせた造語と言われており、50年代にトリプルカレンダー・ムーンフェイズに付けられていたものだ。一説にはデイトナ名はアメリカ・フロリダにあるサーキット“デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ”の公式タイムキーパーとなったことを機に、アメリカ市場向けにデイトナ名を加えて、カーレース用クロノグラフとしてイメージ訴求を図ったのではないかと言われている。
事実これが当時カーレースに夢中になっていたセレブリティたちをも惹きつけた。俳優でありレーサーでもあるポール・ニューマンが愛用するなど、話題を集めるなどして人気を博したというわけである。
【関連記事】
■【男の物欲を刺激する】“クロノグラフ”に個性を与える12の計測スタイル
■【70年代デザインも魅力】黎明期に生まれた、個性豊かなアンティーク自動巻きクロノ5選