腕時計は時間を知る道具として生まれたものだが、それをベースにしてさらに様々な付加機能を加えることで実用性を向上させ、単に時間を表示するだけでなく計測機器としての重要性も高めていった。
そんな付加機能の最たるものとして挙げられるのがクロノグラフである。ちなみに、どうでもいいことだが、「クロノグラフ=ストップウオッチ」、つまりグロノグラフのことを「ストップウオッチ機能を備えた腕時計や懐中時計」という解釈が一般的だが、これ自体は間違いではないものの、厳密に言うとストップウオッチは、クロノグラフの中のひとつの機能のことで、クロノグラフとは、時間の計測および記録する機能全体を包括して指し、積算カウンターはもちろんタキメーターやテレメーターなども含まれている。そのためクロノグラフのことをストップウオッチと言わないのはそのためだ。
このようにクロノグラフにはストップウオッチ機能に加えて、それを記録する積算カウンターや様々な計測スケール、そしてモデルによってはカレンダー機構などが実用機能として設けられている。そしてこれら付加機能の有無や配置場所によって、クロノグラフの顔に個性が与えられるというわけである。
そこでクロノグラフにはどんな計測スタイルがあるのかを、筆者が昨年4月に刊行した「Antique Collection クロノグラフ大全 LowBEAT編集部」から引用して、1930〜50年代のクロノグラフに採用されていた主なものを次ページに書き出してみた。写真リンクと合わせて確認してみてほしい。
>>>【画像】写真で見るクロノグラフの様々な計測スタイル