》ベゼル・ケースも60年代のフォルムと雰囲気を再現
このモデルのデザインで、最大のアイコンとなっているのが24の都市名を記載した両方向回転式のGMTベゼルだろう。控えめな細みのゴシックフォントで交互(リングの内と外)に都市名を記載した意匠など、当時のモデルを忠実に再現しているが、本作ではベゼルの内側にサファイアクリスタル製のリングを設置することで耐久性と美観を強化。60年代後半から70年代のノスタルジックな雰囲気を壊すことなく、高級感を高めた仕上がりとなっている。
1960年代に幅広いブランドで採用されたスキンダイバー仕様のシンプルなケースも再現されており、直線的でシャープなラグのフォルムがマニア心をくすぐる。角に鏡面ファセットを施して高級感を高めているが、小傷が目立ちにくいヘアライン仕上げをベースとしているのも、実用時計らしいこだわりと言えるだろう。
》ヘアラインで統一された重厚な3連ブレスレット
ブレスレットは3リンクのオイスタースタイルを採用。細長いブラッシュ仕上げのセンターリンクと鋭い階段状の外側リンクを組み合わせた仕様となっており、一見すると60年代に流行した伸縮性を備えたリベットブレスレットを連想させるが、実際にはステンレススチールの塊を切削したソリッドリンクを採用。
バックルは誤って外れて時計が落下する可能性が少ないダブルロック仕様。適度な厚みを備えた堅牢な作りで強度がしっかりと確保されている。
》搭載ムーヴメントをチェック
ケースの裏ブタは機密性を重視したスクリューバック仕様。ムーヴメントを見ることはできないが、内部にはSoprodのCaL.C125が搭載されている。ETA 2893-2のジェネリックに位置付けられるムーヴメントであり毎時2万8800振動で、42 時間のパワーリザーブを備える。短針の単独調整機能はなく、GMT針を調整する仕様となっている。
》装着感をチェック
ケースの直径40mm、ラグの上下幅約49mm、厚さ約13.6m。1950年代のスーパーシーウルフは約36mmであったが、スーパーシーウルフワールドタイムでは現代のニーズに合わせて40mmにケースの直径をサイズアップしており、スポーティな印象が強くなった印象を受ける。
都市名を記載したベゼルの存在感が強いため時計単体で見た場合はやや大きめな印象を感じていたが、装着した際はラグの先端が手首の内側に納まるため、装着感、見た目ともにバランスはなかなか良い。程よく存在感を主張しつつ快適に装着できる。
ゾディアック(ZODIAC)とは
1882年にスイス、ジュウ渓谷のル・ロックルに創業者であるアリスト・カラムが創設した時計工房を原点に持つ老舗ブランド。
その後、同社は紆余曲折を経て本格機械式時計の製造を一時休止することになるのだが、2014年に本格機械式時計の製造を復活。
新生ゾディアックでは、新たにスイスのビエンヌに製造拠点を設立したほか、機械に関してもグループ内にムーヴメントメーカーであるSTP(スイス・テクノロジー・プロダクション)を保有し、確かな品質とコストパフォーマンスを両立したコレクションを展開している。
【問い合わせ先】
フォッシルジャパン(ゾディアック)
TEL.03-5992-4611
https://www.zodiacwatches.com/en-us/
ゾディアック販売サイト(タイムギアオンラインショップ)
https://timegear-onlineshop.com/?pid=171887974
文◎船平卓馬(編集部)
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