越境ECによるBtoC(企業が直接ユーザーにプロダクトを提供)のビジネススタイルが普及したことで、自社のオンラインショップでの直販を主軸とする魅力的な新興の時計ブランドがいくつも誕生している近年の時計界。
この連載記事では、カジュアルウオッチ専門誌“タイムギア”の編集長:船平が、個性と品質を兼ね備えた日本未上陸の時計ブランドを厳選し、実際に実機を取り寄せて、その実力と魅力を紹介していく。
第1回目はイタリアのヴィケリア、第2回目はノルウェーのストラムを取り上げたが、第3回は南アフリカを拠点とする新鋭時計ブランド、“ツールウォッチ(TOOL WATCH CO.)“をクローズアップしていく。
【ツールウォッチ(TOOL WATCH CO.)について】
ミラノのクリエイティブアカデミーにおいて、ダンヒル、カルティエなど有名ブランドの経営陣およびクリエイティブディレクターとの仕事よりキャリアをスタートし、その後18年にわたって国際企業のラグジュアリー部門と提携して活動するクリエイティブ・ディレクターのピーター・ヤンセン・ヴァン・レンズバーグと、プロダクトデザイナーであるブレット・ウィリアムズにより設立。
アメリカのニューヨークで創設後、現在は南アフリカに拠点を移して時計の製作を行っており、1950年代に世界各国の探検隊が派遣された南極の探検史と当時のフィールドウオッチからインスピレーションを得た“アークティックフィールド(写真のモデル)”、日本伝統の海女漁とその文化からインスパイアされた300m防水の本格ダイバーズウオッチ“アマダイバー”と二つのコレクションをラインナップしている。
いずれも、ケースとブレスレットに表面硬化処理を施したチタンを採用しており、堅牢さ、良好な装着感、デザイン性を兼ね備えた実用性の高いモデルに仕上げられている。
【今回の実機レビューモデル】
ツールウォッチ(TOOL WATCH CO.)
アークティック・フィールド
アークティック・フィールドは、スイス、日本など世界各国から南極に探検隊が派遣された1950年代のフィールドウオッチからインスパイアされた、ツールウォッチのファーストコレクション。
文字盤に使用されているのは、約100万年前にスウェーデン最北端のキルナ地方に落下したとされるムオニナルスタ隕石が採用されており、地球の氷床下で初めて発見された隕石衝突クレーターであるグリーンランド・ハイアワサ氷河を表現している。
■素材:チタン(サファイアクリスタル風防)
■ケース径:38mm、ラグの上下幅約46.35mm、厚さ11.35mm、ラグ幅20mm
■防水性能:200m防水
■駆動方式:自動巻き(Cal.SW200)
■価格:800ドル(約11万8400円)
ツールウォッチ(TOOL WATCH CO.)公式サイト
https://toolwatchco.com/