新しいトレンドが登場しにくい状況が続いている日本のカジュアルウオッチ市場。そんななかでも、海外では自社のオンラインショップでの直販を主軸とする新たなビジネスモデルが定着し、魅力的な新興の時計ブランドがいくつも誕生している。
この連載記事では、カジュアルウオッチ専門誌“タイムギア”の編集長:船平が、個性と品質を兼ね備えた日本未上陸の時計ブランドを厳選し、実際に実機を取り寄せて、その実力と魅力を紹介していく。
第1回目はイタリアの未上陸ブランド、ヴィケリアを取り上げたが、第2回はノルウェーの時計ブランド、“ストラム(STRAUM)“をクローズアップしていこう。
【ストラム(STRAUM)について】
ラース・ロックス・ファースタッドとオイスタイン・ヘラ・ハスビーによってノルウェーで2016年に設立された新鋭の時計ブランド。構想から5年間の設計、開発期間を経て、21年8月にファーストコレクションを発表し、時計好きから注目を集めている。
北欧の時計ブランドは、バウハウスの影響を受けたシンプルで繊細なデザインを採用する傾向が強い印象だが、ストラムはそうした北欧ブランドのイメージとは異なり、探検家や冒険家が使用する実用時計をモチーフにした重厚なデザインを採用しているのが特徴のひとつ。
ラッカーを重ねることでノルウェーの湖の波紋、氷河、海底を文字盤で表現したオパーヴ、ノルウェーのラスカルタフ沼から抽出した3300年前の松の木を文字盤に採用したラスカルタフなど、ノルウェーの豊かな歴史と自然からインスパイアされた独創的なアプローチを実現している。
残念ながら47本の限定製造であったラスカルは完売となっており、現在はオパーヴのみの展開だが、北欧のスピリットを強く感じさせる独創的で洗練されたコレクションに注目したい。
【今回の実機レビューモデル】
ストラム(STRAUM)
オパーヴ ダマスカス ホワイト
ラッカーを重ねた立体的な造形の文字盤で、ノルウェーの湖の波紋、氷河、海底を文字盤で表現したストラムの代表モデル。この“ダマスカス ホワイト”は雪に覆われたノルウェーの自然をモチーフにした文字盤が特徴となっており、文字盤には何層ものラッカー処理が施され、まるでエナメル文字盤を思わせる光沢と質感を生み出している。
■素材:ダマスカススチール(サファイアクリスタル風防)
■ケース径:41mm、ラグの上下幅約46.6mm、厚さ11mm、ラグ幅22mm
■防水性能:10気圧防水
■駆動方式:自動巻き(SW200-1 b)
■価格:1050ユーロ(約15万2250円)
【SRAUM(ストラム)の実機レビュー動画を見る】