ロレックスに関する驚きのニュースが飛び込んできたため、予定していた記事を来週にまわして、今回はそれについて簡単に触れてみたい。
去る12月1日にすでに当ウオッチライフニュースでも速報として紹介しているためご存じの方も多いと思うが、「ロレックスの認定中古」という見出しとともに、その情報がロレックスの公式ウェブサイトにアップされた。
メディア向けのロレックス公式資料を読むと、見出しに「ロレックスがROLEX CERTIFIED PRE-OWNED(ロレックス認定中古時計)プログラムを開始」とある。つまり、初回販売から3年以上が経過したものが対象で、ロレックスの認定中古品として新たに2年間の国際保証付きとなって正規店で販売されるというものだ。
加えて、そこには「このプログラムは6カ国(スイス、オーストリア、ドイツ、フランス、デンマーク、イギリス)にある名門時計店の“ブヘラ”ブティックで、12月から開始する」と書かれている。
そこで気になるのは、日本などブヘラ以外の正規店はいつから開始するのかということだ。それについて日本語の資料にはこう書かれている。「中古時計の取り扱いがあり、このプログラムの提供を予定している、その他のロレックス正規品販売店では、2023年春頃より順次開始となります」。
じつのところこの文章の中で「中古時計の取り扱いがあり」という文言は英語の資料だと記載がないため、日本向けにあえて加えているのだろう。だとすればこれが何を意味するのかはなんとなく想像できる。1990年代より2次流通市場がすでに確立され、いまや並行輸入と正規輸入とではっきり線引きされている日本。海外とはだいぶ事情が違うはずだからだ。
ロレックスは認定中古プログラムの開始を公式サイトで発表した(rolex.com)
特にロレックスの場合は、これまで2次流通における日本での中古市場はロレックスの他を圧倒する高い人気が牽引してきたと言っても過言でない。そのため日本ですでに認定中古をやっている高級ブランドとは、マーケットの規模も与える影響力も格段に違う。そう単純ではないはずだ。
しかも中古となると定価は関係なくなるため、たとえ正規販売店だとしても実勢価格に準じた値付けとなるのは当然のこと。そうなると認定中古といえども定価を超えるプレミアム価格(現にプログラムを開始したスイスのブヘラでは旧型GMTマスター II 黒青ベゼルの認定中古が日本円で310万円ほどの値がついていた)となるわけだから、定価の新品とプレ値の中古を併売するということは、特に日本においてはかなり現実的ではない。
そのため、昔から正規店を利用しているロレックス愛好家の知人によると、この一報を受けてよく知っている正規のロレックス専門店の担当にこの件について聞いたところ「海外の一部店舗のみで、日本で展開の予定はない」とはっきりと言われたそうだ。
ただ、いますぐは難しいとしても今後はゼロではないだろうし、筆者的には、アンティークも含めて将来的にはぜひ期待したい。なぜならばフルレストアされたバブルバックがあったらぜひ手に入れてみたいと思うからだ。
いずれにせよ、こうやってロレックスが介入することで加熱ぎみのロレックス市場が少しでも緩和されることを期待したい。ただ中古品よりも、まずは新品の生産量をもう少し増やして、少なくともデイトジャストなどのベーシックなコレクションぐらいは、日本の正規販売店でも普通に買えるようにしてもらいたいものである。
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