A.塗装ではなく金属を焼いて生み出している
時分針によく用いられる青色。高級時計とカジュアル時計で用いられるブルーの針は、製造方法が全く異なるのはご存じだろうか。
カジュアル時計などに用いられるブルーの針は、主に塗装をして生み出したものだが、高級時計に使われる“ブルースチール針”は、手作業でステンレススチールを焼き入れして製造している。
金属は、焼くことで表面が酸化して耐食性が増すのだが、この過程で黄色→紫色→青色→灰色の順に色が変化していく。
ブルースチール針は青色の段階のもので、キレイなブルーを出すためには焼き上げのタイミングが難しいとされている。
手間暇かけて、職人が手作業で針を焼いていくため、主に高級時計に採用されるのだ。
写真上がブルースチール針。ちなみに写真の下はモリッツ・グロスマン製のブラウンバイオレット、ブラウン針。一般的なブルースチールに比べて色合いを出すのが難しいと言われている
文◎松本由紀(編集部)
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