A.2月末日を除き、30日と31日の月を判別して自動的に調節してくれるカレンダー機構
前回のQ123、永久(パーペチュアル)カレンダーに引き続き、今回は“年次カレンダー”について取り上げる。
一般的なカレンダー機構は、1カ月を31日としてカレンダーディスクには1〜31の数字がプリントされている。
そのため1カ月の日数が31日に満たない2、4、6、9、11月の小の月には、翌月の1日までリューズを手動で操作して日付を進めなければならない。
年次カレンダー(アニュアルカレンダーとも呼ばれる)とは月末にこの操作をする必要がなく、30日と31日の月を自動的に判別して調整をしてくれるカレンダー機構を指す。
ただし小の月のなかでも2月は末日が30日にも満たないため、年に1回、このときだけは手動でリューズ操作が必要となる。
ちなみにうるう年の4年に1度だけ調整が必要な、“セミパーペチュアルカレンダー”も存在する。
これはうるう年の2月末日だけを手動で調整するタイプのカレンダー機構だ。
写真はパテック フィリップ公式サイトより引用。1996年に発表された年次カレンダー機構を搭載したRef.5035J
年次カレンダー機構は、1996年の時計の見本市、バーゼルワールドにてパテック フィリップが発表。当時すでに特許を取得していたという。
現在ではパテック フィリップ以外の様々な高級時計メーカーも多く採用している。
今年発表されたパテック フィリップの年次カレンダー搭載モデル。年次カレンダーのほか二つのタイムゾーンを表示する、トラベルタイムも搭載している
<参考文献>
・パテック フィリップ公式サイト>会社>時というもの>年次カレンダー
文◎松本由紀(編集部)
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