Scurfa Watches(スカーファ・ウォッチ)は2013年にポール・スカーフィールドによってイギリスで設立された、日本未上陸の独立系時計ブランド。創設者のスカーフィールドは、30年以上、キャリアを積んだ商業用深海潜水士という異色の経歴をもつ。
彼が水中に夢中になったのは12歳の時。叔父に連れられて、地元のスキューバダイビングクラブに行ったのがきっかけだったそうだ。その後、ダイビングで使用する時計に興味を持つようになり、特にロレックスのダイビングウオッチに興味を心を引かれるようになる。
潜水士としてのキャリアを積み重なるなかで、スカーフィールドは希少なコレクターズモデルとして知られるロレックスのコメックスモデルや、ミリタリーサブマリーナーなど希少なモデルを身につけた元英国海軍のダイバーやコメックスのダイバーを見かけることが増えたが、彼が目にした腕時計のほとんどは、一度も修理に出したことがないためコンディションが悪かった。
これをきっかけとして、スカーフィールドは自分や友人のためにロレックスのアンティークモデルのレストアを始め、腕時計の人脈を築いていくことになる。
彼がダイバーとしてキャリアをスタートした30年前はまだ現在ほどではなかったが、その後、ロレックスのアンティークダイビングウオッチの価格が爆発的に上昇。高額となった腕時計を過酷な環境下で身につけるのは気が引ける、という仲間が増えたことから、自分自身と友人であるダイバーのために最高の素材を手頃な価格で提供する時計ブランドを立ち上げるというアイデアが浮かび、スカーファ・ウォッチをスタートさせることとなった。
2007年からプロジェクトをスタートさせたスカーフィールドは、13年にファーストコレクションであるスカーファ・ダイバー1 を発売。ウェブサイトでの販売を主軸として、プロ仕様のダイバーズウオッチ に特化したコレクションを展開している。今回はプロのダイバーの厳しい要求に応えるために作られている、スカーファ・ウォッチ・コレクションから、三つの時計を紹介する。
【編集部の注目モデル】
Scurfa Watches(スカーファ・ウォッチ)
ダイバー・ワン・ D1-500・グロスオレンジ
最初に紹介するダイバー・ワン・ D1-500・グロスオレンジは、グロスオレンジの文字盤とグロスブラックの針が特徴的な500m防水のハイスペックダイバーズウオッチ。ルミノバ夜光を塗布した大型マーカーを配したデザインにより、高い機能性とファッション性を兼ね備えている。
この腕時計には創業者のスカーフィールドが、さまざまな深度と混合ガスで徹底的にテストを重ねて完成させた、ヘリオックス(ヘリウムと酸素の混合ガス)エスケープバルブがケースに内蔵されている。
直径40mmの316Lサージカルステンレス製ケースにドーム型サファイアクリスタル風防、7mmのスクリューダウンリューズが設置され、500m防水機能を実現。スイスのRonda社製、Cal. 715SM クォーツムーヴメントを搭載している。針とベゼルに施されたグレードAのスーパールミノバは、水深が深い場所でも高い視認性を発揮。 販売価格は197.50英ポンド(約3万3000円)。