時間表示に加えてストップウオッチ機能を備えた特殊な機構に加え、計測用のクロノグラフ針とインダイアルを備えたメカニカルなデザインにより、時計のジャンルのなかでも別格の人気を誇っているクロノグラフ。
数ある時計のジャンルでも花形といえる機構のため豊富なラインナップを誇るが、おおまかにクロノグラフの黎明期である1920年代から見られる古典的なツーカウンタークロノグラフ(計測機能を二つ備えたクロノグラフ)、ロレックスのデイトナなどに象徴されるスリーカウンタークロノグラフ(三つの計測機能を備えたクロノグラフ)という二つの種類に分けることができる。
日常生活のなかでクロノグラフを実用的な機能として使用する機会はあまりないため基本的には見た目の好みで選ぶのがおすすめだが、近年の傾向として注目したいのがツーカウンタークロノグラフの増加だ。時計界では過去の名作をモチーフにした復刻モデルが人気ジャンルのひとつとなっているが、その影響でカジュアルから高級時計まで、幅広い価格帯で魅力的なツーカウンタークロノグラフが登場。スリーカウンターに比べてすっきりとしたデザインも支持を集め、ラインナップを増やしている。
今回は手頃な5万円以下の価格帯で、編集部おすすめの3モデルを紹介していく。
【編集部の注目モデル】
アウトライン(OUTLINE)
パイロットクロノ20thリミテッド
1940年代に空軍士官向けに開発されたと言われ、通称“フライングオフィサー”の呼び名でもよく知られる2カウンタークロノグラフの名機をモチーフに、古典的な雰囲気を失わないよう、細部にわたってこだわったツーカウンタークロノグラフ。
3時位置と9時位置にあるインダイアル(右は24時間計、左は60分積算計)は、全体に溶け込まないようにしてメリハリを付けるために文字盤よりも1段下げることで立体的に表現。文字盤外周には世界23都市の名前が配されており、同時に時差の違う二つの国の時刻を表示できるのも特徴だ。これは40年代当時のフライングオフィサーの大きな特徴でもあり、このモデルは日本の時刻(ホームタイム)を基本として、文字盤に記載されている23のどれかひとつの都市の時刻(セカンドタイムゾーン)を同時に表示できるようにデザインされている。
■Ref.YK20221-1BL。SS(42mm径)。3気圧防水。メカクォーツ(セイコー製Cal.VK64)。3万76400円
【問い合わせ先】
シーズ・ファクトリー
TEL.03-5562-0841
販売サイト:Watch LIFE NEWSオンラインSHOP
https://www.powerwatch.jp/webshop/onlineshop/
【編集部の注目モデル】
イエマ(YEMA)
ラリーグラフクォーツ
1974年にリリースされたレーシングクロノグラフ、“ラリーグラフ”をベースに製作されたメカクォーツクロノグラフ。オリジナルのラリーグラフはイエマの愛好家から“ブラウンシュガー”のニックネームで親しまれたモデルであり、レーシングカーのダッシュボードからインスパイアされた台形のインダイアルが最大の特徴。
オリジナルと同じく台形インダイアルを継承しているのだが、モノトーンのカラーを採用することにより、ヴィンテージスタイルのデザインを継承しつつも、デイリーユースで着けやすいモダンなプロポーションを獲得している。
■Ref. YMHF1572-AM。SS(39mm径)。10気圧防水。メカクォーツ(Cal.VK64)。4万6200円
【問い合わせ先】
イエマジャパン
TEL.03-5875-8810
販売サイト:タイムギアオンラインショップ
https://timegear-onlineshop.com/?pid=150126272
【編集部の注目モデル】
アンダーン(UNDONE)
アーバン ヴィンテージ サーモン
1950年代から70年代に製造されたクロノグラフモチーフに製作されたオーセンティックでエレガントな新作クロノグラフ。デザインアイコンである“サーモンダイアル”は、ピンクがかったローズゴールドに経年変化したコッパー(銅)文字盤の色調を再現。“サーモンダイアル”と“ブレゲ数字インデックス“を組み合わせることで、機械式時計黄金期とされるミッドセンチュリーのエレガンスを表現している。
ケースは直径41.5mm、厚さ12.5mm。クラシックなデザインに対してやや大きめのサイズ感に仕上げているが、程よい大きさを採用したことでアイコンとなっているサーモンダイアルの存在感を強調。表情を変えるサーモンダイアルの色合いを際立たせている。
■URB-VNT-SLME。SS(41.5mm径)。3気圧防水。クォーツ(SII製Cal. TMI VK64)。4万1800円
【問い合わせ先】
アンダーン・ジャパン
TEL:03-5774-1447
販売サイト:アンダーン
https://undone.co.jp
文◎船平卓馬(編集部)