Sherpa Watches (シェルパ・ウォッチ)は、 ドイツ西部、国内7番目の都市・デュッセルドルフ近郊でマーティン・クロッケにより2019年に設立された日本未上陸の新鋭ブランド。
熱心なエンジニアであるクロッケは1950年後半から60年代に海洋探検やエベレスト登頂を支えたツールウオッチ にインスパイアされた、日本未上陸の時計ブランドだ。
ツールウオッチの黄金時代と言える50年代から60年代は、ローマー、サーチナ、ブローバ、エニカ、ユンハンス、ファーブル・ルーバなど様々なブランドが探検家用の時計を製造していたが、そのなかでも特にシェルパ・ウォッチが強い影響を受けているのがエニカS.A.だ。シェルパ・ウォッチは同社の功績に敬意を払っており、堅牢なコンプレッサー ケース、二つのリューズなど、1968 年のオリジナルのシェルパ モデルからデザインを継承し、スペックをさらに進化させている。今回はシェルパ・ウォッチコレクションから、二つのモデルを紹介する。
【往年のコンプレッサーダイバーをモチーフに採用した二つの代表モデル】
シェルパ・ウォッチは “シェルパ・ウルトラダイブ”と“シェルパ・OPS”という二つのコレクションをの看板モデルとしてラインナップしている。いずれもエニカ S.A.が1960年代に製作した時計にインスパイアされたモデルで、 シェル・パウォッチが改良を加えたという独自のコンプレッサーシステムを搭載している。
このコンプレッサーケースの技術は、1950年代に時計ケースメーカーのEPSAが開発したもので、ケースにかかる水圧を利用して機密性を高める特許取得の構造を備えているのが最大の特徴。 EPSAではこのケース設計でいくつかのバージョンを開発しており、シェルパ・ウォッチでは、バヨネットシステムにより固定された裏ブタが水圧を受けて圧縮されるスーパーコンプレッサーシステムをベースに採用。
創業者のクロックはEPSAのオリジナルのスーパーコンプレッサーシステムの特許と図面を研究し、シール材と高精度な製造技術によってアップグレードを実現したようだ。