A.ゼンマイを自動的に巻き上げてくれる装置だが、使いすぎには注意
機械式時計は、ゼンマイがほどける力を利用して針を運針させるため、このゼンマイを定期的に巻き上げなければ針は止まってしまう。
そこで便利なのがウオッチワインダー(ワインディンマシーンとも呼ぶ)。ウオッチワインダーはモーターの力で時計全体を回転させて、腕に装着しているときの環境に近い状態でゼンマイを巻き上げてくれる装置だ。
使い方は簡単で、時計を収納するスペースに時計をセットして稼働させるだけ。写真のような大きなサイズのものもあれば、1本だけ収納できるコンパクトなものもある
一般的な機械式時計のパワーリザーブは約40時間前後のため、土日に着けずに放置していると、いざ月曜日になって動いていないということがある。
この場合、土日にウオッチワインダーを使用すると、自動巻き時計であっても止まる心配がなくなるため便利なのだ。
しかも常時磁場を発生するモーターのまわりには、危険性を配慮して防磁対策がなされているため、磁気帯びの心配もない。
ただし常にウオッチワインダーに時計を装着したままにするというのは避けたい。ゼンマイを巻き上げるために必要なローターまわりの摩耗を早める恐れがあるためだ。
文◎松本由紀(編集部)
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