1974年に諏訪精工舎から登場したスーペリアは、当時最高峰の精度を追求したセイコーの頂点モデルに位置付けられる。その初代モデルにはクォーツの量産を進めるなか開発された38系キャリバー(普及機)をさらに高精度化し、月差±2秒程度に収めたCal.3883を搭載している。
また当時最高峰の精度にふさわしく、外装の作り込みも半端でない。ザラツ研磨が施されたケース、モルフォ蝶の羽を転写した美しい文字盤、さらにインデックスはミニッツ表示までもがアプライド仕様でしかもポリッシュ仕上げという手の込んだ作りだ。
硬質ステンレススチール(36㎜径)。クォーツ(Cal.3883)
その後もセイコーはさらなる高精度化に挑み、76年のCal.4883で月差±1秒、78年のCal.9983では年差±5秒を実現。さらに省エネ化も実現し、電池寿命を2年(Cal.3883は1年)に伸ばしている。
文◎堀内大輔(編集部)/写真◎笠井 修
※記事は2022年9月7日(水)発売の『Antique Collection 国産腕時計大全 LowBEAT編集部』より抜粋しました。本書は当オンラインストアからご注文いただけます。
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