A.本当です
クロノグラフは、通常の時刻表示機能に加えて、ストップウオッチ機能を搭載した腕時計のことである(詳しくは同企画Q.40を参照)。
2時と4時位置にプッシュボタンを備えており、2時位置のプッシュボタンを押して計測をスタート、もういちど2時位置のプッシュボタンを押すとストップし、4時位置のプッシュボタンを押すとすべての針が戻りリセットされるという仕組みがクロノグラフの基本的な設計・操作なのだが、実は“ワンプッシュクロノグラフ(別名モノプッシャークロノグラフ)”という時計が存在することをご存じだろうか。
リューズと同軸にプッシュボタン(赤丸印)を配している、モンブランのモノプッシャークロノグラフ。ベースキャリバーはセリタのSW510
ワンプッシュクロノグラフはその呼び名のとおりひとつのボタンでスタート、ストップ、リセットがすべて行えるクロノグラフ機構を指す。
2時位置にのみプッシュボタンを備えているタイプが多いほか、リューズと同軸(写真)にプッシュボタンを備えたタイプもある。
ただ、ツープッシュ式よりも設計はシンプルだが、一度クロノグラフ針を止めた場所から再計測することができないというデメリットもある。
1933年にブライトリングが今日のようなツープッシュボタン式の特許を取得。翌年にツープッシュ式のクロノグラフモデル“プルミエ”を発表。
その後はツープッシュ式が主流となりワンプッシュクロノグラフはほとんど作られなくなった。現行モデルではロンジン、モンブランといったブランドが採用している。
文◎松本由紀(編集部)
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