コロナ禍の影響で市場が停滞している印象が強い時計界だが、いっぽうで、クラウドファンディングという新たな資金調達方法の確立、越境ECによるビジネスモデルの拡大により時計ブランドの創設が増加。ヨーロッパ各国を中心に、魅力的なブランドの創設が加速しており、まだ日本では存在が知られていない魅力的な日本未上陸ブランドが群雄割拠する状況となっている。
ミラノ近郊にあるボゲーラに拠点を置く “ヴィケリア(VIQUERIA)”も、そんな日本未上陸ブランドのひとつ。2012年に時計愛好家でもあるニコロとオマールが創設したイタリアの新興ブランドであり、当初はトスカーナレザーを採用したベルトの製造からスタート。
2017年から時計のコレクションを展開しており、日本円で10万円を切る手頃な価格帯を中心に、フュメダイアルを採用したスモセコモデル、ツーカウンターのクロノグラフなど、1950年代から60年代のアンティーク時計からインスピレーションを得たコレクションをラインナップしている。
今回は、そんな“ヴィケリア(VIQUERIA)”のコレクションから、最新モデルである本格ダイバーズウオッチ、カリプソに注目。イタリアから実機を取り寄せてレビューをお届けしよう。
【今回の実機レビューモデル】
ヴィケリア(VIQUERIA)
ヴィケリア・カリプソ
■Material.:ステンレススチール(サファイアガラス風防)
■Size:42mm、ラグの上下幅約48.5mm、厚さ13.6mm、ラグ幅22mm
■Waterproof:300m防水
■Movement:自動巻き(セイコーNH35)
■Price:プレオーダー価格199ユーロ(2万7263円)
※一般発売価格320ユーロ(4万3840円)
【問い合わせ先】
ヴィケリア(VIQUERIA)公式サイト
https://www.viqueriawatches.com
【タイムギアチャンネル:実機レビュー動画】
【ヴィケリア(VIQUERIA)について】
ミラノ近郊にあるボゲーラに拠点を置くイタリアの新興ブランド。2012年に時計愛好家でもあるニコロとオマールが創設。当初はトスカーナレザーを採用したベルトのコレクションからスタートし、2017年から時計のコレクションをスタートさせた。
【“カリプソ”の特徴】
これまでスモセコ、クロノ、3針を展開してきたヴィケリアの最新モデル。逆回転防止ベゼル、ねじ込み式リューズを装備し、300m防水を備えた本格派のダイバーズウオッチであり、ムーヴメントはセイコーのCal.4R35の外販向け自動巻きムーヴメント、Cal.NH35を搭載。毎時2万1600振動で40時間パワーリザーブ。カタログ上の精度は日差-35から+45となっている。
プロ仕様のスペックを備えつつ、プレオーダーで199ユーロ(約2万8059円)、プレオーダー後の一般発売価格が320ユーロ(約4万5120円)と、驚異的なコストパフォーマンスを実現している。
【カリプソ:ケースの印象をチェック】
サイズは直径が42mm、ラグ上下で48.5mm、厚さが12.2mm。ツールウオッチらしくケースの表面はヘアライン仕上げを採用。正面のヘアライン仕上げとコントラストを付けるためにサイド面には鏡面仕上げが施されており、異なる研磨の質感がケースの造形を際立たせている。また、ケースのエッジ(角)が適度な鋭角さを備えている点も魅力のひとつ。手頃な価格帯の時計は、研磨を施した際にケースのエッジが丸くなってしまい、フォルムが崩れてしまうモデルも多い。その点、このモデルは、ヘアライン仕上げと面仕上げ、二つの面が接する部分の仕上げもしっかりと鋭角さを残しており、価格以上の質感を実現している。
外周にブラックの最大の60分までのカウントダウン目盛り、内側に12時間表示のセカンドタイムゾーンを備えた逆回転防止ベゼルも特徴のひとつ。アルミ製リングをインサートしたシンプルな作りなのだが、簡素な作りが逆に往年のダイバーズウオッチの雰囲気を醸し出しており、マニア心をくすぐる。ツートンに色分けされた二重仕上げの仕様も、デザイン性と機能性を両立しており魅力的だ。