ティプシム(Typsim)はアメリカ北西部のシアトルで設立された日本未上陸の時計ブランド。高品質な作りと耐久性にこだわった本格機械式のスポーツウオッチを製作している実力派のマイクロブランドである。
ブランド名は“typical(典型的な)”と“similar(類似した)”という二つの言葉をかけ合せた造語であり、 無印良品やACMEのように、ブランド名をあまり誇張することなく、品質で勝負する製品でありたいというのが、こだわりポイントとなっているようだ。
ティプシムは、生産工程や素材の選択についての情報を開示しているのも特徴となっており、時計の部品はスイス、香港、アメリカで調達され、時計の設計、組立て、最終品質保証テストは、シアトルの本社で実施。
公式サイトを窓口にしてオンラインでの直接販売方式を採用するビジネスモデルによって中間コストを抑え、高品質の時計を適正な価格で顧客へ提供することが可能となっている。今回は、そんなティプシムのコレクションから代表的な二つのモデルを紹介していく。
ティプシム(Typsim)
200M
“200M”は水中や水辺で機能的に使用するために設計された200m防水の本格ツールウオッチ。 20世紀半ばのヴィンテージダイバーズウオッチからデザインのインスピレーションを取り入れつつ、サイズ、機能、スタイルに現代的なアレンジを加えることで、伝統的でありつつ、独自性を備えたモデルとなっている。
サイズは39mm、厚さは12.7mm。機械はスイスのセリタ社製の自動巻きムーヴメント、SW300-1を搭載で、販売価格は1199米ドル(約16万1000円)。
ケース素材はポリッシュとサテン、2種類の仕上げを施したステンレススチールで、光沢感を備えたブラック文字盤にシルバーのフレームを備えたインデックス、メモリをレイアウトしたガルバニックコーティングを施したシルバーギルトダイアルを採用。ダイナミックな光の演出によりスポーティななかにも高級感を感じさせる。
アンティーク感を醸し出すドーム型のアクリルクリスタル風防に加え、逆回転防止ベゼルにもアクリルクリスタルのリングをインサート。 風防のデイト表示部分には拡大表示用のガラスが設置されている。
スイスのスーパールミノバを製造する、RCトライテックと協業し、時間経過とともに自然に色あせる独自の発光塗料を開発。最初はオフホワイトのような色合いだが、使い込むうちにクリーム色から黄色に変化していく。経年変化をしない一般的なスーパールミノバとは異なり、エイジングを楽しめるのは大きな魅力と言えるだろう。
また、ティプシムは、5 つのリンクをリベット留めした独自のリベットブレスレットを採用しているのも特徴のひとつ。小さなコマを連結させているため可動域が広い点に加え、わずかに伸縮する設計になっているため、手首に滑らかな着け心地をもたらしてくれる。