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旧型デイトジャストの16200番台と116200番台、どっちを選ぶ?|ロレックス通信 No.156

 先週お届けした「いったいどこまで下がるのか? 7月度のロレックス相場定点チェック!」は、Yahooニュースのライフというカテゴリーでのアクセスランキングが一時的とはいえ4位に入るほど、かなりの反響をいただいた。あらためてロレックスの値動きに対する関心度の高さに驚かされた。

 そして今回は、前回お休みした旧型デイトジャストの3回目として第7世代にあたる116200番台をお届けする。

 116200番台は現行デイトジャストのひとつ前のレファレンスとなる。2004年にまず18金イエローゴールドの金無垢モデルが、ブレスレットと革ベルトの2タイプ。それに加えてイエローゴールドとスチールのコンビが登場。そして翌年になってオールスチールとコンビモデルにはピンクゴールドとホワイトゴールドが追加されてすべてのラインが出揃った。

 また、これまでにない様々なユニークな文字盤デザインが登場したのも116200番台の大きな特徴だった(文字盤の写真はコチラ)。

左が第6世代のRef.16233、右が第7世代の116233。右のほうが全体的にふっくらしているのがわかるだろうか

 自動巻きムーヴメントは、それ以前の16200番台と同じキャリバーナンバーだが、外装面においてはかなりブラッシュアップされた。ではどのような点が変わったのかをもう少し見ていきたいと思う。

 最大の違いは上の写真で見比べるとわかるが、新ケースが採用されてサイズこそ変わらないものの、ラグ方向に向かってのフォルムがふっくらとしたと同時に、ケース表面部分は艶のないサテン仕上げから鏡面仕上げに変更されたため、より高級感が増した点だ。

よく見ると中央3列のコマが、上の16233は中央が空洞になっているが、下の11633は空洞になっていない

 また、ブレスとケースを繋ぐフラッシュフィットが一体型となり、5列のジュビリーブレスは、コマとコマの接続パーツが巻き板状の中空タイプから、すべて素材そのものの塊で作られるようになり堅牢性と耐久性が向上している。さらにバックルも、高級ラインであるデイデイトと同じく繋ぎ目がわからないコンシールドタイプの高級仕様に変更されるなど、ブレスレットまわりは格段にブラッシュアップされた。

 116200番台はその後も改良が行われいる。そのひとつが06年頃から文字盤外周のインナーリングに出現した、通称ルーレット刻印である。「ROLEX」の文字が繰り返し刻印されているもので、偽造防止として設けられたようだ。

ヒゲゼンマイは2011年頃からご覧のようにブルー・パラクロムという独自の素材で作られたものに変更された

 また、自動巻きムーヴメントのCal.3135も、11年頃からは精度を決める重要な部品のひとつ“ヒゲゼンマイ”に、温度変化に強く、耐磁性に優れたブルー・パラクロムという独自の素材が使われ始めた。もし116200番台を購入する際にはこの2点をチェックしたほうがいいだろう。

 さて116200番台の実勢価格だが写真の18金イエローゴールドとステンレスとのコンビモデル、Ref.116233でざっとみたところ110万円台から130万円台で流通している。ちなみに前レファレンスの16233は60万円台から80万円台だった。その差50万円ほどとちょっと無視できないレベル。さてあなたならどっちを選ぶだろうか!

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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