小スライド 意外と知らない時計知識

【Q96】腕時計の“Dバックル”とは何?どんなメリットがあるの?

A.Deployment Buckle(デプロイメント バックル)のことで、革ベルトのダメージを軽減することができるバックル

一般的なピンバックルのパーツ名称。具体的な名称は知らない人も多いのでは

 革ベルトに採用されるバックルは、尾錠、つく棒(ベルトの小穴に差し込み、尾錠をベルトに固定するためのパーツ)で構成されたピンバックルタイプ(上写真)が主流である。
だがこのバックルには様々な種類が存在する。今回はそのなかのひとつ、“Dバックル”について説明しよう。

 DバックルとはDeployment Buckle(デプロイメント バックル)の略。デプロイメントは展開するという意味だ。この名のとおり、尾錠が片側にしか付いていないピンバックルと違い、両開きでバックルが展開する仕様である。
 ピンバックルを所持している方はご存じだと思うが、一般的なピンバックルは着脱の度に定革(ベルトを通す輪状のパーツ)にベルトをとおす。この際、ベルトを強く曲げることも多く、革にダメージを与えてしまうことがある。
 その点、Dバックルはブレスレットのようにワンタッチで装着できるため、ベルトへのダメージを軽減できるのだ。

Dバックルがついたイメージ。ブレスレットのようにつながっているため、着脱の際に落下するリスクは低い。着け外しも楽で一石二鳥だ

 またDバックルはブレスレットのようにつながっているため、着脱時に時計を誤って落としてしまうこともないというメリットもある。
 このDバックルタイプだが、最初から時計に装着されて売られているものもあれば、単体で購入して付け換えることも可能(4000円程度)だ。ただしその場合はバネ棒外しという工具も必要となるためご注意を。

 

文◎松本由紀(編集部)

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