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【アンティーク時計傑作選】名門ジャガー・ルクルトが作り上げた、語り継がれる逸品

 ジャガー・ルクルトが創業125周年という節目を迎えた1958年。この記念すべき年に、同社の威信をかけて製作されたモデルが、今日傑作として語り継がれるジオフィジィックだ。モデル名の由来は、同時期に行われていた国際科学研究プロジェクトの“国際地球観測年(英語名:International Geophysical Year)”で、研究者や科学者に向けた高性能な腕時計を目指した。


 搭載するのは、手巻きの最高傑作のひとつに数えられるクロノメータームーヴメント、Cal.P478/BWSbrである。毎時1万8000振動のロービート機で、ハック機能や耐震装置を有するほか、高級機仕様とされるスワンネック緩急針やブレゲヒゲゼンマイを備える。また、受けなどのヘアライン仕上げや面取りも丁寧に施されており、こうした丁寧な仕事はユーザーがまず見る機会のない文字盤側にいたるまでおよぶ。性能面のみならず、優れた美観も徹底的に追求されているムーヴメントなのだ。さらにムーヴメントを軟鉄製の文字盤とインナーケースで覆う耐磁構造も採用された。

 このジオフィジィックは、ステンレススチール、イエローゴールド、ピンクゴールドと、外装素材のバリエーションが計3種展開され、総生産数はわずか1290本。そのうち9金、14金、18金のバリエーションがあるイエローゴールドモデルは200本程度しか生産されていないとされる。それだけに市場でも滅多にお目にかかれない希少モデルでもあるのだ。

 

文◎堀内大輔(編集部)/写真◎笠井 修

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