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【10万円以下でコスパも抜群、セイコーの復刻系モデル】セイコー プレザージュの“Style60’s SARY211”【注目の時計を実機レビュー】

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 ここ数年にわたって時計界でトレンドの一つとなっている復刻モデル。一般的に復刻モデルと聞くと、過去のモデルを忠実に再現したモデルを思い浮かべるかもしれないが、近年、数を増やしているのが往年の名作をモチーフにしつつ、デザインや機能にアレンジを加えた“現代解釈型”の復刻モデル。

 デザインや機能を含めてモチーフとなったモデルを忠実に再現した“完全復刻型”に比べると復刻感は薄くなるが、最大の魅力であるレトロ感を楽しみつつ、現代のライフスタイルにマッチする使いやすさが高められているのが特徴と言えるだろう。

 今回はそんな“現代解釈型”の復刻モデルのから、セイコー プレザージュの“Style60’s SARY211”をクローズアップし、実機レビューをお届けしよう。


【今回の実機レビューモデル】
セイコー プレザージュ(SEIKO PRESAGE)
ベーシックライン Style60's


■品番:SARY211
■Material.:316Lステンレススチール&ブレス(ハードレックスガラス風防)
■Size:40.8mm、ラグの上下幅約48.9mm、厚さ14.3mm、ラグ幅20mm、重量約148g
■Waterproof:5気圧防水(日常生活強化防水)
■Movement:自動巻き(4R57)
■Price:7万4800円



【セイコー プレザージュ(SEIKO PRESAGE)のブランド紹介】

 100年を超えるセイコーの腕時計作りと日本の伝統が融合して2011年に誕生した機械式時計ブランド。琺瑯(ほうろう)製のダイヤルなど、日本の伝統工芸を活かしながら、手の届く価格帯で高品質な機械式モデルを展開している。


【デザインのコンセプト】

 デザインのモチーフとなっているのは1964年に発売された“クラウン クロノグラフ”。セイコーが公式タイムキーパーを担当した東京五輪に合わせて開発されたモデルであり、国産初のストップウオッチ機能を持った腕時計としても知られている。


【文字盤と外装のデザインについて】


 ボックス型の風防(オリジナルモデルはプラスチック風防であったがこのモデルはセイコー独自のハードレックスを採用)、シャープなアプライドインデックス、夜光塗布のドーフィン針、直線的なラグのフォルムなどアイコン的な意匠を継承しつつ、懐古趣味ではなくデザインと機能の両面から現代的なアレンジを加えているのが面白いところ。


 文字盤はサンレイ装飾を施したのち、光沢感のあるラッカー仕上げを採用。11時〜4時にパワーリザーブインジケーターを配置し、時分秒針と同軸の針でゼンマイの巻き上げ残量を表示してくれる。このパワーリザーブインジケーターは、実用的な表示機構としての魅力に加え、デザイン的なアクセントとしても効果を発揮している。


 また、パーツの質感の良さもこのモデルの大きな魅力だ。6時位置に配置されたポインターデイトのサブダイアルは簡易的に文字盤をくり抜いただけでなく縁の部分に鏡面仕上げを採用。エッジ立たせた多面的造形のアプライドインデックス、中央に稜線を設けた時分針など、各パーツが立体的な造形に仕上げられているため、7万円台という手頃な価格とはお思えない上質な雰囲気を感じさせる。

 アプライドインデックの内側に配置されたスクエアのマーカー、時分針には経年変化した夜光塗料を思わせるベージュのカラーを採用。ベゼルの目盛りも同系色のベージュで統一されており、アンティークウオッチを想起させる色合いが魅力的だ。


【ケースとブレスレットについて】


 ケースとラグは、1964年に発表された“クラウン クロノグラフ”からエッセンスを取り入れ、直線を生かした多面的フォルムを採用。多面的フォルムでありながら、エッジの鋭角さが弱く丸みを帯びている点は少々残念なポイントだが、フロントはヘアライン、ファセット部分とサイドは鏡面と、二つの仕上げを組み合わせることでデザインにアクセントを加えているのは好印象だ。


 ムーヴメントは、毎時2万1600振動で、最大41時間パワーリザーブを備えたCal.4R57を搭載。精度は日差+45秒〜-35秒。6R系より4R系の方がやや下位、中位機械ということもあり、装飾は簡易的な印象だが、機械式時計ならではのメカニカルな造形を楽しめるのは魅力的だ。


 ブレスはヘアライン仕上げで統一された3連ブレス。コマはそれぞれ削り出しで成形されており重厚な質感を楽しめる。汚れが目立ちやすい鏡面ではなくヘアラインで表面の仕上げを統一した点はヘアライン好きの筆者としても好印象なポイントだ。バックルはプッシュ式の三つ折れタイプ。二重ロック式に比べると堅牢性はやや劣るが、着脱は楽。バックルのパーツは肌に触れる部分に斜めのカットと丸みをもたせているのでストレスなく着けられる。


【装着感について】

 ケースはリューズを除いた直径が40.8mmで、厚さが14.3mm。ラグからラグまでの上下幅が48.9mm、重さが148グラム。40mm以下だとややコンパクトな印象となるが、40mmをわずかに超えるサイズ感を採用した点が心憎い。ラグの先端が手首の内側に納まる絶妙なデザインバランスに仕上げられている。アンティークテイストを感じさせつつ、現代的な雰囲気を備えたサイズ感と言えるだろう。


【問い合わせ先】
セイコーウオッチお客様相談室
TEL.0120-061-012


 

文◎船平卓馬(編集部)

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