A.鍛造は金属をプレスして成形する方法、切削は金属を削って成形する方法
鍛造と切削によるケースは一長一短で、どちらが良い悪いと言う判断基準は一切ない
“時計ケース”と一概に言っても、その形になる前の製造方法はモデルごとに異なる。というのも、ケースの加工方法は、主に“鍛造”と“切削”の2種類にわけられるからだ。
鍛造は金属を繰り返しプレスして成形する製法、日本刀の刀鍛冶がそれにあたる。これにより金属の目が詰まるため、より硬くなる。
また研磨した際にも素が出にくく、磨くほどに輝きを増すというのも特徴。ただ複雑なケース形状の製造には向かないうえ、成形にはいくつもの金型が必要になりコストが掛かるため、採用するメーカーはそれほど多くない。
ちなみにロレックスはもちろんだが、アップルウォッチのケースも鍛造で作られていて話題となった。
切削は文字どおり、金属を切って成形する製法。加工がしやすく、ケースの形状について制限が少なくなる点が大きなメリットだ。
またエッジを立てやすいことも特徴だが、金属の目がそれほど詰まってはいないため平滑な面は出しにくいと言われる。
文◎松本由紀(編集部)
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