意外と知らない時計知識

【Q61】GPS時計と電波時計の違いとは

A.どこから発信される電波を受信するかの違い

 電波時計とは地上にある標準電波送信所から送信される、正確な時刻情報をのせた電波を受信して自動で時刻を修正する機能をもつ時計を指す。
 それに対しGPS時計とは、地球周回軌道上にあるGPS衛星から送信される電波を受信する機能をもつ時計。
 簡単に言ってしまうとどこから発信される電波を受信するか、ということだ。
 なお精度(※)について電波時計ではミリ秒単位なのに対して、GPS時計はナノ秒〜マイクロ秒の精度が出る(1ミリ秒をマイクロ秒で換算すると1000マイクロ秒となる)。
 ただし、実際に時刻を確認する場面においては、この両者の精度差はほとんどわからないだろう。

1990年に世界初の電波時計としてユンハンスから発表されたメガ1。ドイツでの単局受信モデルである

 電波時計の受信可能範囲は1500〜3000km程度と言われており、一般的な電波時計では標準電波送信所(福島県にあるおおたかどや山標準電波送信所と、佐賀県にあるはがね山標準電波送信所の2カ所)が発信する電波が届く範囲内でしか機能しない。
 対してGPS時計は、GPS自体が地球上における位置情報を衛星から取得するためのシステムであるため、受信エリアの制限がない。言ってしまえば地球上のどこにいても電波を受信することが可能というわけだ。

 ただ価格には大きな開きがあり、数万円で買える電波時計に対して、GPS時計は10万円以上とだいぶ高額になってしまう。

 

(※)電波時計とGPS時計の精度差にについて「まったく同じ」と誤解をまねく表現となってしまいました。補足し修正させていただきます。

文◎松本由紀(編集部)

 

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