A.リアル(本物)と型押しの2種類が存在するため
時計のレザーベルトに用いられる皮革には様々な種類が存在する。
手頃な価格で入手しやすいカーフ(牛革)や、高級モデルに採用されるワニ革、艶のある光沢感が魅力のコードバン(馬のお尻の革)や、革自体が固く加工が困難とされているガルーシャ(エイの革)などだ。
今回はレザーに詳しくない方はご存じないであろう、“型押し”とリアル(本物)の違いについて取り上げる。
左がカーフ型押しで右がクロコダイル。写真で見ただけではどちらが本物かわからない
型押しとは名前のとおり、型を押して皮革に模様をつける方法。模様のついた金版に熱を加えながら皮革に圧力をかけて製造していく。
クロコダイル(ワニ)、リザード(トカゲ)といった高級皮革の型の模様をカーフレザーに施すことで、まるで本物の高級皮革かのような雰囲気が楽しめるのだ。
販売価格差も大きい。クロコダイルは最低1万円〜なのに対し、カーフ型押しは安価なものだと3000円ほどで入手できる。
しかも型押しの場合は、硬さがあり手首になじむまで時間を要する本物のクロコダイルなどの高級皮革と違い、ベースとなる皮革(カーフ)は生後6カ月以内の仔牛の皮革をなめしたものを使用するため最初から柔らかい。
ただし型押しは光沢感や質感、そして耐久性などの細かい部分は本物にはやはり劣る。あくまでも高級皮革の雰囲気を低価格で楽しみたい人向けということになる。
文◎松本由紀(編集部)
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