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有名俳優が関係!? 急激に高騰したもうひとつのデイトナ|ロレックス通信 No.136

 今回は、昨年後半になって爆騰したラバーベルトのようなオイスターフレックスブレスレット仕様のゴールド・デイトナについて書きたいと思う。

 ちょっと前になるが実機を着けてみたことがある。そのときに感じたのは、確かにヘッド部分はずっしりと重いもののとても着けやすかったのがとても印象的だった。

筆者が実際に着けてみたイエローゴールドケースのRef.116518LN

 このモデルにセットされているオイスターフレックスブレスレットは、一見するとラバーベルトのように見えるが、ロレックスの公式資料によると高い柔軟性のあるメタルブレードの上から高性能なエラストマー(人工ラバーの一種)をコーティングして作られており、メタルブレスの堅牢性とラバーベルトのような柔軟性を併せもつというのが特徴らしい。とにかく手首になじんで着けやすいスグレモノだ。

 実のところ手首が貧弱な筆者の場合、現行ロレックスの分厚いブレスレットに加えて大きめのバックルのせいで、長さ調整しても手首の太さにまったく合わない。ただこれの場合だと、ブレスの作りや構造だけでなく、裏側には手首のカーブでできる隙間を埋めるかのようにラバーのクッションが設けられており、それのおかげで良くなじんでくれるのだ。まさに手首が細い人にはおすすめかもしれない。

ラバーのような柔軟性があって手首が細くてもよくなじむためとても着けやすい

 もちろんデザインも全体の雰囲気も悪くない。これについて好みは分かれるかもしれないが、筆者的にはブラックセラミックベゼル、そしてオイスターフレックスブレスレットの艶のないマットブラックがゴールド感を適度に和らげているうえに、インダイアルの黒も相まって全体に引き締まった雰囲気で素直にカッコイイと感じたのである。

 ただ残念なことに、昨年10月から11月にかけてわずか1カ月で100万円以上も高騰し、今回取り上げたイエローゴールドのRef.116518LNも、現在は定価324万600円に対しておよそ900万円とさらに遠い存在となってしまった。

【グラフ】Ref.116518LNの過去2年間の値動きをチェック!

 実は2021年初頭までは400万円ぐらいとデイトナの中でもかなり相場も落ち着いていたほうだったのだが、ここにきて一気に高騰してしまったというわけである。この動きについていくつかの並行輸入店で聞いたところ、そのうちのひとつのショップからこんなことを聞いた。

 「これが引き金になったかは正直わからないが」と前置きをしつつ「香港の人気俳優・ショーン・ユー(余文乐)がゴールドのデイトナ(ここに取り上げたものと同じ仕様)を着けた写真がネット上に載ったことからアジア圏で注目が高まったことも関係しているのかも」ということだった。この異常な上がり方を考えたら、まんざら的外れとも言えないかもしれない。

 ちなみに素材バリエーションは全3タイプで、それぞれの現在の実勢価格は以下のとおりである。
●Ref.116518LN(イエローゴールド):国内定価324万600円→約900万円
●Ref.116519LN(ホワイトゴールド):国内定価339万1300円→約790万円
●Ref.116515LN(エバーローズゴールド):国内定価339万1300円→約860万円

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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