機械式時計の魅力は様々あるが、クォーツやスマートウオッチにはない機械式時計だけが備える特徴であり、最大の魅力と言えるのが、ゼンマイを動力に、精緻なパーツを組み合わせて正確に時間を表示する機械式ムーヴメントである。
長い歴史のなかで技術を高めながら継承されたメカニズム、職人が手作業で組み上げるという特別感に加え、その機能美を感じさせるメカニカルな造形が、時計好きを魅了してやまない。そして、そんな機械式ムーヴメントの機能美と独特のメカニズムを、デザインの要素として最大限に際立たせたのが、スケルトン文字盤である。
近年は、機械式ムーヴメントのパーツに肉抜き加工を施した古典的なスケルトン文字盤のほか、幾何学的でモダンなフレームデザインを獲れた新世代のスケルトン文字盤がラインナップを増やしており、機械式時計のジャンルで、トレンドデザインのひとつとして注目が高まっている。
今回は、そんなスケルトンデザインを採用したモデルのなかから、注目のモデルをセレクトして実機レビューをお届けしていく。
【今回の実機レビューモデル】
roberto cavalli by FRANCK MULLER(ロベルト カヴァリ バイ フランク ミュラー)
RV1G106M0071
■Material:ステンレススチール&ブレス
■Size:42mm、ラグの上下約46.5mm、厚さ10mm、ラグ幅25mm
■Waterproof:10気圧防水
■Movement:自動巻き(スイス製)
■Price:20万5700円
【ロベルト カヴァリ バイ フランク ミュラーのブランド紹介】
伝統にとらわれないラグジュアリーでセクシーなスタイルで、イタリアを代表するファッションデザイナーとして確固たる地位を築いたロベルト・カヴァリ氏。 “ロベルト カヴァリ バイ フランク ミューラー”は、イタリアのファッションハウス“ロベルト・カヴァリ”と、スイスの高級時計メゾンとして知られる“フランク ミュラー”の共同ブランディングから誕生した注目のブランド。
今回の紹介するのは、そんな“ロベルト カヴァリ バイ フランク ミューラー”の新作としてリリースされたスケルトンコレクションエントリーモデル。ロベルト・カヴァリのアイコンであるアニマルモチーフを取り入れたフレーム文字盤を採用し、スケルトン加工を施したフレームをとおしてムーヴメントをチラ見せ。レイヤード構造により文字盤が立体的に表現されている。
【外装について】
カットを加えて六角形に仕上げたベゼルが存在感を主張。ベゼルは六角形の六つの角に合わせて凹みを付けたデザインになっているが、ラグにもこの凹みデザインが採用されており、光の当たり方や見る角度によって陰影を生み出している。
ブレスレットはヘアライン仕上げのH形コマで、格子状の装飾を施した中コマを挟み込んだデザイン。大型のエンドピースを採用することでケースとの一体感が高められており、立体的で個性的な造形だが、時計全体のデザインバランスが統一された印象を感じさせる。
【文字盤のデザインについて】
文字盤はロベルト カヴァリ バイ フランク ミュラーのアイコンデザインのひとつである“蛇のウロコ”を思わせる幾何学的なフレームデザインを採用。ブルーのフレームデザインを透かして、搭載している自動巻きムーヴメントの造形をチラ見せするデザインがモダンな印象を感じさせる。
【ムーヴメントについて】
裏ブタはシースルーバック仕様。中央のサファイアガラス部分から搭載するスイス製ムーヴメントの動きと造形を鑑賞できる。汎用ムーヴメントのため仕上げや構造は簡素だが、機械式ムーヴメントならではの機能を楽しめるのは魅力と言えるだろう。
【バックルについて】
バックルはプッシュ式の両開き仕様。二重ロック式に比べると堅牢性はやや劣るが、バックルを閉じるとブラレスレットと一体感のある見た目になるため、ケース、ブレスレットのデザインとの統一感やバランスの良さは好印象と言える。
【問い合わせ先】
ミスズ
TEL.03-3247-5585
http://www.watch-world.jp
文◎堀内大輔(編集部)