今回は、時計好きの方にとっては「そんなの知っているよ」と言われそうだが、タイトルどおりエクスプローラー II (以降EX II ) の機能について紹介したいと思う。
エクスプローラー(以降EX I )の進化系として1971年に登場したEX II 。探検家向けを想定していたEX I に対して、探検家は探検家でも洞窟探検など、現在時刻が昼なのか、それとも夜なのかを判別することが難しい環境下での使用を想定して開発されたものだ。EX II に時分針とは別にもうひとつ昼夜を判別するための24時間針(オレンジの針)を備えているのはそのためなのである。
オレンジの24時間針は時分針と常に連動し同じ時刻を刻みベゼル上の目盛りで現在時刻を指し示している。右が現行のRef.226570、左が2021年に生産終了した旧型のRef.216570
この24時間針だが、その呼び名のとおり24時間で1周する。つまりこの針が指し示す固定ベゼル上の1〜24の目盛りから現在時刻が午前なのか午後なのかを読み取るというものである。そのため24時間針は時分針と常に連動し同じ時刻を刻んでいる。
そして、24時間針には探検時などに役立つもうひとつの使い方がある。それは方位計だ。時計を水平にして固定ベゼルの“24”の位置(12時位置)を太陽の方向に向ける。そのときに24時間針が指し示している方角が北半球では“真北”となる。天候に左右されることはあるが、野外であればこんな使い方もできるというわけである。
GMTウオッチとしても使える実用機として進化!
① リューズをまず1段引く ② リューズで短針のみ時差の分を動かす ③ 24時間針は動かず常に元の時間(ホームタイム)を指し示している ④ベゼルは固定式。出典「改訂版・ゼロからわかるロレックス3」(シーズ・ファクトリー刊)より
このEX II だが、当初は昼夜を判別できることが特徴だった。しかし、1984年頃に登場した第2世代のRef.16550からはGMTマスターと同様に時針だけを単独で動かすことができるようになった。そのため時差のある別の国の時刻も同時に確認できるGMTウオッチとしての機能も備わったのである。
その使い方についてここで簡単に触れておくと、例えば日本から海外に出張に行くとしよう。現地に到着したらまずリューズを1段引いて時針を単独可動できる状態にする。そして、時差の分、時針のみを進めたり遅らせたりして時分針を現地の時刻に設定する。その際に時針を動かしても、分針と24時間針には影響せず動かない。よって、時分針は現地時間を、24時間針は本来いた日本時間をそのまま表示し続けるというわけだ。