ポルシェ・デザインがブランドの設立50周年を迎えた。同ブランド名義で最初の製品である“クロノグラフ 1”は、伝説的なポルシェ911のデザイナーであり、ポルシェ・デザイン社の創業者、フェルディナント・アレクサンダー・ポルシェによってデザインされ、1972年に発表された腕時計だ。
このモデルが、2022年、ブランド50周年を記念し、500本の限定生産として復活した。
クロノグラフ 1 – 1972 リミテッド・エディション
■Ref.6041.7.01.001.01.5。TI（40.8mm径）。10気圧防水。自動巻き（Cal.Porsche Design WERK 01.140 COSC）。世界限定500本。108万9000円
限定モデル“クロノグラフ 1 – 1972 リミテッド・エディション”では、細部にまで細心の注意を払って、歴史的な先駆者であるオリジナル・モデルのデザイン的特徴が再構築されている。ダイアル、リューズ、クラスプ、ケースバックにはすべて、歴史的な最初期のポルシェ・デザインのロゴが付いている。1972年に発表されたオリジナル・モデルのフォントがタキメーターの目盛りと日付け表示に、そして独特なレクタンギュラー・シェイプの時分針も再現されている。
ハード・コーティングを施した7層の反射防止サファイア・クリスタルは、いつでも最適な視認性を保証し、アワーマーカーは、スーパー・ルミノバの おかげで暗闇の中でも輝く。これらのディテールがクラシックを蘇らせた。エンボス加工された歴史的なロゴが付いたチタニウム製ブレスレットのクラスプと同様に特別に開発されたリューズにもこのデザインが再現されている。
製品を技術的にさらに進歩させたいというポルシェ・デザインの願望は、最適化という点で妥協を許さなかった。このリミテッド・エディションには、COSC認定済みのポルシェ・デザイン・キャリバーWERK 01.140が搭載され、最高の精度を保証。50年を経て、デザインにおける歴史的アイコンが戻ってきたのである。“クロノグラフ 1 – 1972 リミテッド・エディション”は、時計とポルシェ愛好家のための高品質なアクセサリーで、500本の限定生産となる。
クロノグラフ 1 誕生のストーリー
クロノグラフ 1は、スポーツカーにインスパイアされた時計を創作するという新しい考え方から生まれた。正確でパフォーマンス重視であり、デザインは必要不可欠なものだけを残し、高い機能性と信頼性を中心に構築された時計である。 F.A. ポルシェは、ダイアルの最適な判読性と、ムーヴメントの堅牢性と正確性、そしてデザイナーとしてのパイオニア精神と相まって、マスターピースともいうべき時計を製作する決定を下した。反射率の低いサファイア・クリスタル、完全にマットに仕上げられたブラックのデザインは、911のコックピットのスポーティな外観を着用者の手首に初めてもたらした。このモデルにはスイス製の自動巻きムーヴメントが搭載されていた。
当時、クロノグラフ 1の時計のムーヴメントとカラーは、多少の混乱を引き起こした。なぜなら、クォーツ・ムーヴメントが市場を席巻し、デジタル・ディスプレイを備えた低価格な時計が流行し始めていた時期だったからである。さらにこの時点でのほとんどのプレミアムな時計は、ゴールドまたはシルバー色であった。しかし、F.A. ポルシェは、これらのトレンドに従わないという決定を下しのであた。彼にとって自動巻きの時計は「クォーツでは提供できない」という価値を示し、さらに製品の出来栄え、デザイン、さらには色さえも、決定するのはトレンドではなく、機能であった。 デザインの実直さと機能性は、時計の品質と相まって、評論家に勝利し、低コストのクォーツ時計に打ち勝ったのである。
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