2007年にドイツ人のステファン・クドケ氏が、ドイツのフランクフルトで立ち上げた時計ブランド“クドケ”。現在はドイツ東部の古都ドレスデン近郊の街に工房を構えており、創業以来、手仕事にこだわった時計作りを続けている。しかもデザインからパーツの切り出し、組み立て、彫金など、すべての工程をほぼひとりで行っているというから驚きである。そのため生産量は年間70本程と限られるが、その出来栄えは美術工芸品と言える趣きだ。
2018年には手作りで仕上げる自社製ムーヴメントの開発にも取り組み、19年に発表したデイナイト表示を搭載した“クドケ2”が、時計界のアカデミー賞と言われるジュネーブ時計グランプリ(GPHG)で部門賞を獲得。さらに21年には世界に30数名しかいない独立時計師協会(アカデミー)の正会員に選ばれるなど、今後の活躍がますます期待される時計師である。
そんなクドケのコレクションには、スケルトン加工した時計に彫金を施した“クンストヴェルク(ドイツ語で芸術品の意味)”と、自社製ムーヴメントを搭載して手仕事にこだわった“ハンドヴェルク(ドイツ語で手工業の意味)”の2つがある。
クドケ1
アンスラサイトダイアルとシルバーの時分針が与えられ、シックな雰囲気を高めたクドケ1のニューバージョン。9時位置にレイアウトされたスモールセコンドや、往年の懐中時計を彷彿とさせるインフィニティーハンドなど、随所にクラシカルなディテールを盛り込んだ上品な意匠が魅力となっている。
■SS(39mm径)。5気圧防水。手巻き(Kaliber 1)。110万円
このハンドヴェルクコレクションで、なんと、文字盤や針の色、ケースの素材や裏面のムーヴメントへの彫金の入れ方などを選べるカスタムオーダーの受け付けが開始された。これを記念して2022年1月19日(水)より、銀座三越6Fのシェルマンでフェアも開催される。
ムーヴメントの彫金オプションの一例。受けの一部を抜いたスケルトン仕様となっているほか、受け全面に繊細なエングレーブが施されている(追加料金66万円)
レギュラーモデルにはないサーモンピンクダイアル(追加料金16万5000円)への変更も可能だ。なお基本価格はクドケ1が110万円、クドケ2が132万円となる
この機会に、独立時計師による世界にひとつだけのアートな時計を手に入れてみてはいかがだろうか。
Independent Watchmaker “KUDOKE” Custom Order Fair
~Encounter between Art and Watchmaking~(アートと時計制作の出会い)
■期間:2022年1月19日(水)〜25日(火)
■場所:東京都中央区銀座4-6-16 銀座三越6F インターナショナルコレクターズ/シェルマン
■問合せ番号: 03-6228-6911
シェルマンの創業50周年を記念したスペシャルモデルが登場
クドケ2 シェルマン50周年リミテッドエディション
■TI(39mm径)。5気圧防水。手巻き(Kaliber 1 in version 24H)。限定1本。159万5000円
クドケの日本代理店でもあるシェルマンが創業50周年を迎えた。これを記念し、特別なエングレーブが施された特別モデルが製作されたのである。既存モデルでは外装にステンレススチールを用いるが、これがチタンに改められているほか、アイコンであるデイナイト表示にクドケ夫妻の顔をエングレーブ。限定1本のユニークピースだ。
【問い合わせ先】
シェルマン日本橋三越 TEL.03-6225-2134
https://shellman-dearwatchlover.com
文◎堀内大輔(編集部)