【外装について】
優れた特性を備える反面で、硬く、加工が難しいために製造コストが高くなってしまうのも“904Lスチール”の特徴だが、ルノータスでは、金属加工メーカーとして培った優れた技術を発揮し、10万円台という手の届く価格帯を実現。ブレスレットの中央のコマなど、細部には若干仕上げの粗さも感じる部分もあるが、ブレスレットなどのエッジもあえて立たせすぎず、心地よい肌触りを追求しており、価格以上の満足度と質感を備えたモデルであることは間違いない。
【ムーヴメントについて】
ムーヴメントについては、ETA社の定番機であるCal.2824-2を搭載。毎時2万8800振動の自動巻きで、38時間パワーリザーブを備える汎用機だが、ゴールドプレーティング加工を施した自社製のローターを採用するなど、細部に手を加えることで、特別感のある仕上がりとなっている。
【総評】
時計ケースのOEM製造なども担ってきた金属加工メーカーだからこそ品質にもこだわりつつ実現できた手頃な価格。ラグスポをベースにしたデザインとのバランスを考えると、二重ロック式のバックルが大きく重い印象を感じさせるのがやや残念なポイントだが、“904Lスチール”を採用し、ETA社製ムーヴメントを搭載した機械式時計で、10万円台の前半というのは魅力的。コストパフォーマンスに優れたモデルであることは間違いないだろう。
【問い合わせ先】
ルノータス TEL.0743-83-0477
文◎船平卓馬(編集部)