意外と知らない時計知識

Q43.高級時計でよく聞く“クロノメーター認定”とは何か

A.スイスの公的第三者機関が定めるムーヴメントの精度規格

 高級時計の文字盤で見かける“CHRONOMETER”という表記。
 クロノメーターと読むのだが、これはスイスの公的独立機関“スイス公認クロノメーター検定協会(Controle Offiiciel Suisse des Chronometres)”、通称C.O.S.C.(コスク)による認定試験に合格して認定を受けたムーヴメントを搭載した個体にのみ文字盤に印字が許される。より簡単に言うと、精度が良い時計であることを示す証だ。
 1976年にはC.O.S.C.のクロノメーター認定をベースとした国際標準規格、ISO3159が制定。厳格な品質検定のひとつであると言える。

写真のブライトリングは1999年に機械式、クォーツを問わず100%クロノメーター宣言をしており、安心感や信頼感を追求している

 ムーヴメントがこのクロノメーター認定を受けるには、垂直にしてそれぞれ6・9・12時位置を下側に、水平にして文字盤を上向きと下向きにした五つの姿勢差と、8°C、23°C、38°Cの三つの温度差の条件下で15日間にわたって精度をテスト。その誤差が認定基準値をクリアしていなければならない。
 しかも個体ごとに検査を受けるため、たとえ同じモデルであっても合格するものと不合格になるものがある。
 なおクロノメーター検定はスイス時計ブランドの信頼性を高めることを目的としているため、対象となるのはスイス製の時計のみであるほか、あくまでも基準をクリアしたことの証明であり、時計の高精度を保証するものではない。

 

文◎松本由紀(編集部)

 

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