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【この仕上がりで60万円台はバリューだ!】往年のモデルを彷彿とさせるクラシック顔のタグ・ホイヤー カレラ

 タグ・ホイヤーのカレラといえば、ホイヤー時代の1963年から続くレーシングウオッチの代表作であり、ブランドのイメージを作り上げてきた重要なコレクションだ。現行のクロノグラフモデルは2019年に誕生した自社製ムーヴメント“ホイヤー02”を積んでおり、そのパフォーマンスはさらに一段高まった感がある。今回はそのコレクションでもちょっと異彩を放つモデルをピックアップしてみた。

タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ
■Ref.CBN2013.FC6483。SS(42mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.ホイヤー02)。65万4500円

 タグ・ホイヤー カレラというと最近は精悍でメカニカルなデザインのイメージが強い。対してこのモデルは、初代ホイヤー カレラを彷彿とさせる、シルバーのダイアルにローズゴールドコーティングを施したインデックスを合わせており、タフさというよりはドレスウオッチのような気品を強調したルックスになっている。文字盤はサンレイ仕様で横位置に並んだインダイアルと、ローズゴールドのインデックスで、クロノグラフとしては比較的すっきりとした顔つきだ。ベゼルにはタキメーターなどは特に搭載されておらず、あくまでスマートさを押し出している。

 ケースサイズは42mmとクロノグラフとしてはオーソドックスで、厚みは編集部調べで14.48mm。デザインのスマートさもあって実際に装着してみると厚さをあまり感じさせない。ローズゴールドのインデックスは非常にシャイニーであり、インダイアルはアジュラージュ加工され、全体的にエレガントで上品な雰囲気だ。初代ホイヤー カレラにインスパイアされたモダンなデザインは、新たなアイコニックとなるモデルだと感じさせる。ケースエッジを立たせ、シャープさを強調したモデルはタグ・ホイヤーのコレクションには数多く存在するため、このエレガントなデザインは新たなファン層を拡大すると感じた。スポーティーすぎず、ちょっと気取った場所でも使えるクロノグラフとして、この方向性はありだろう。

 搭載されているホイヤー02は、かなり強力なクロノグラフムーヴメントだ。そもそもタグ・ホイヤーでは、2016年にこのムーヴメントをいきなりトゥールビヨン仕様にチューンナップして市場に送り出しており、しかもその価格が200万円を切るという破格さで大きな話題となった。ここ2年ほどで同社のクロノグラフに標準搭載されるようになったが、伝統的なコラムホイール式を採用して基本に忠実に作られたムーヴメントだ。シングルバレルながら約80時間のロングパワーリザーブを備えている点は素晴らしく、実用性に配慮した点は実にタグ・ホイヤーらしい。しかも自社製ということで、最近の同社の充実ぶりを強く感じる。シースルーバックからのぞけるローズゴールドカラーのローターも、レーシングウオッチとしての伝統を感じさせる造形美で手抜きは一切感じさせない。

 ベルトは上品なブラウンのアリゲーターストラップを合わせており、仕上がりはあくまでエレガントさにこだわっている。そして、その価格も魅力のひとつだろう。秀逸な自社製クロノグラフムーヴメントを積んで60万円台という価格設定は、全体的なプライスゾーンがかなり上がっている現行の時計市場では圧倒的にコストバリューが優れている。タグ・ホイヤーは製品クオリティに比べてかなり攻めた価格設定のイメージがあるが、このモデルはそのルックスの豪華さを考え合わせると、とても魅力的だ。スーツに合わせてビジネスの場で使ってももちろんOKだが、ちょっとカジュアルなデニムなどに合わせても良さげであるし、使い回しが効きそうな点を考え合わせると非常に価値ある1本といえそうだ。

【問い合わせ先】
LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL.03-5635-7054
https://www.tagheuer.com

構成◎堀内大輔(編集部)/文◎巽 英俊/写真◎笠井 修

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