A.Greenwich Mean Time=グリニッジ・ミーン・タイムの略
新型コロナウイルスの情勢により近年は海外へ行けなくなってしまったが、出張や旅行などで海外へ行った際、腕時計についていると重宝するのが“GMT機能”だ。
GMTとはGreenwich Mean Time(グリニッジ・ミーン・タイム)の頭文字を取ったもの。もともと時間を定める基準は太陽で、同一の子午線(地球の赤道に直角に交差するように両極を結んだ線)上を太陽が2回、正中する間隔を1日とし、その24分の1を1時間とする平均太陽時が用いられた。
そして1884年にロンドンにあるグリニッジ天文台を南北に通る子午線を“経度0(本初子午線と呼ぶ)”と制定し、この経度で太陽が南中する時間を正午と定め、これを“地方標準時(ローカル・スタンダードタイム)”の基準として制定した。
しかし、太陽が南中する時間を正午と定めていても、国によって経度も違えばこの子午線も違うため、当然太陽が南中する正午のタイミングも違ってくる。
つまり、グリニッジ標準時からすると誤差が生まれるため、国によって1日のタイムゾーンが異なってくる。そしてこのグリニッジ標準時と地方標準時との誤差のことを“時差”と呼ぶわけである。
GMT機能は、この時差のある第2国の時間帯をも同時に確認できる機能なのである。
GMTモデルの基本形である、24時間表示にGMT針というスタイルを生み出したのは、実はロレックスである。なお先端が三角の赤く塗られた針がGMT針だ
小窓表示やサブダイアル表示などの第2時間帯の表示方法は様々あるが、広く一般的に採用されているのは、ロレックスのGMTマスターⅡのように、時分針とは別にもうひとつ副時針(GMT針と呼ぶ)を備え、ベゼルに設けられた24時間表示とで第2時間帯を確認するタイプである。
文◎松本由紀(編集部)
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