デイリーユースできる価格帯から、語りどころのある“名作モデル”を紹介していく連載企画。第4回は、外胴プロテクターが個性を主張する国産ダイバーズウオッチの名作に注目。
》1975年に開発された名作からDNAを継承
1965年に発売された初代150mダイバーを原点に改良を続けていたセイコーのダイバーズウオッチ。その進化の歩みは68年に服部時計店に届いた一通の手紙により、大きな転換を迎える。手紙の送り主は広島県呉に住むプロのダイバーで、「現在市販されているダイバーズウオッチは、国産品も輸入品も300m以上の深海潜水において飽和潜水システムに耐えられない」という趣旨の内容であった。
セイコーは技術者を中心とするプロジェクトチームを結成してヒアリングを開始し、75年に飽和潜水に対応する世界初のチタン製ワピースケース採用のダイバーズウオッチ、プロフェッショナルダイバー600mを完成させる。
ダイバーズウオッチとしては初めてとなるチタン製のワンピース構造ケース、擦過性を高めるためにセラミックの粒子を溶射処理で施した外胴プロテクター、水圧を受けても手首にフィットする蛇腹式ポリウレタンゴム製伸縮ベルトなど、開発した世界初の技術は20件以上に及び、機能性、デザインを含めて、当時、屈指の完成度を実現。その特徴的な意匠と設計思想は、現行のプロスペックスにも脈々と継承されている。
》原点となった1975年の歴史的ダイバーズウオッチ
1975年に開発されたという世界初のチタン製ケース+外胴プロテクター構造ダイバーズのオリジナルモデル。外装だけで20件に及ぶ特許を取得しており、セイコーのダイバーズウオッチの基準を定めるモデルのひとつとなった。
SEIKO PROSPEX(セイコー プロスペックス)
マリーンマスター プロフェッショナルSBBN047
1975年に完成した世界初のチタン製ケース+外胴プロテクター構造ダイバーズのDNAを継承。チタン製のワンピースケースに逆回転防止ベゼルを載せ、それをセラミック製の外胴でカバーする独自構造により、飽和潜水で使用するヘリウムガスの侵入を防ぐ驚異的な気密性を実現。600mから1000m防水にスペックが強化されている。
■Ref. SBBN047。TI(スーパー ブラックダイヤシールド加工/49.4mm径)。1000m飽和潜水用防水。クォーツ(Cal. 7C46)。27万5000円
》外胴プロテクターを継承した新コレクションも登場
タウンユース仕様としてリデザインされたプロスペックスの新機軸、“ストリートシリーズ”。特徴的な外胴プロテクターを持つ意匠と、ファッショナブルなカラーがこれまでにないスタイルを生み出している。
■SS(43. 2mm径)。200m防水。自動巻き(Cal.4R35)。各6万4900円
【問い合わせ先】
セイコーウオッチ お客様相談室
TEL:0120-061-012
【公式サイト:セイコー プロスペックス公式サイト】
https://www.seikowatches.com/jp-ja/products/prospex
文◎船平卓馬(編集部)