2000年代前半だったと思うが、世界的な時計ブームとともに“複雑系至上主義”などと揶揄されるほど、各時計メーカーは競うかのように複雑機構を時計に搭載した。それに伴いどんどん時計も大型化が加速していったように記憶している。そんななか日本でもデカ厚ブームなどと呼ばれて、ケースサイズが大きく存在感のある時計がもてはやされた。
それも2015年以降は落ち着き、いまでは比較的に小振りなサイズの時計も随分と目につくようになってきているようだ。さて、そんな時計の大きさについて、みなさんは適正サイズというのをどのように捉えているのだろうか。
手首の幅の内側に時計本体だけでなくラグまで含めて納まるのが理想。筆者は手首が極端に細いため37mm径ぐらいの小振りサイズがちょうどいい
もちろん、適正サイズといっても、ファッションやシーンによっても考え方や捉え方は様々だと思う。よって、あくまでも普段使いで邪魔にならず着けやすいものをチョイスする際の目安として編集部が基準としていることを紹介したいと思う。
腕時計の場合、着けていて邪魔にならず疲れない。そしてキレイに見えるサイズというのは、手首の幅の内側に時計本体だけでなくラグ(ベルトやブレスを付けるためにケースから出っ張っている部分)まで含めて手首に納まるのが理想と言われている。
ただ、カタログなどに記載されている腕時計のサイズ表記は、丸形ケースの場合は、リューズ(時間調整などする3時位置にあるボタンのこと)部分を除いた、3時位置から9時位置までの左右幅、つまりケース径となり、ラグを含めた縦方向のサイズではないため注意してほしい。
自分に合ったサイズを探す場合にいちばんに気にしたいのは、実はラグを含めた縦方向のサイズ(写真参照)であって、このサイズが手首の幅に納まるかどうかが本来は重要となる
また、ラグ部分の長さはその時計によっても違う。ケースサイズが同じだからといって縦方向も同じとは限らない。そのため希望サイズよりも多少ケースが大きくてもラグが短いと、ぴったり納まる場合もある。この点についてもカタログに記載のケース径だけで判断しないほうがいいだろう。
ちなみに、なぜラグまで含めるのかというと、ラグ部分が手首の幅よりも出てしまうと、ラグと手首の間に隙間ができてしまい、安定感も見た目にもあまりよろしくない。特に手首の細い人は要注意なのだ。
最後にケースの厚みのチェックも忘れてはならない重要なポイント。目安としては厚さ10mm未満。多少厚くとも12mm台に留めたいところ。もちろんこの数値は体形によっても違ってくるため、あくまでも参考値として捉えていただければと思う。