地球温暖化に伴う異常気象から様々な災害が発生している昨今、地球環境への配慮から循環型社会を目指す様々な取り組みが世界レベルで加速している。特にヨーロッパではその一環として、資源のリサイクルに対する意識が高く、多くの企業でも活発な取り組みが行われているようだ。
もちろんこの活動はスイスの時計産業にも広まりつつあることは言うまでもない。そして今回パネライが2021年の新作として発表したサブマーシブル eLAB-ID™とルミノール マリーナ eスティールは、まさにパネライがウオッチメイキングにおけるサスティナブルの方向性を示した最初の一歩と言えるだろう。
サブマーシブル eLAB-ID™
■Ref. PAM01225。ECOチタン™(44mm径/厚さ13.35mm)。30気圧防水。自動巻き(Cal. P.900e/約3日間パワーリザーブ)。世界限定30本。745万8000円
サブマーシブル eLAB-ID™は、時計の総重量の何と98.6%に対してリサイクル率が高い素材を使って作られているという。そのためケースやサンドイッチ構造の文字盤、そしてブリッジなどは、再生チタンからなる合金で80%以上の純リサイクル材で作られた航空宇宙素材なみの軽量な金属、ECOチタン™から形成されたものだ。
外装素材以外にも、インデックスと針にもリサイクル100%のスーパールミノバを使用、サファイアクリスタルからゴールドの針まで、主な部品のほとんどは、リサイクルされた素材が使われている。しかもムーヴメントの脱進機に使われているシリコンまで100%リサイクルで、これは時計としては初だそうだ。
このように細部にわたって徹底的にリサイクル素材から作られたサブマーシブル eLAB-ID™は、パネライの環境問題への意識の高さを示す、まさに意欲作と言えそうだ。
ルミノール マリーナ eスティール™
■Ref. PAM01157。 eスティール™(44mm径/厚さ15.65mm)。30気圧防水。自動巻き(Cal. P.9010/約3日間パワーリザーブ)。105万6000円
一方のルミノール マリーナ eスティール™は、独特のリューズプロテクターを装備した初の時計として、いまやパネライの象徴ともいえるルミノール マリーナをベースに、時計自体の総重量である152.4gの58.4%に相当する98gがリサイクル素材で作られているとうものだ。
ケースと文字盤には、新しいリサイクルベースのスチール合金であるeスティール™を採用。もちろんこのeスティールもリサイクルながら従来のステンレススチールケースに要求されるものと同じ物理的構造と耐食性を有しているため、品質的にはまったく問題ない。しかしながら、価格はぐっと抑えられている点は大きな魅力と言える。
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