スギ花粉の時期も終わり、ようやく過ごしやすい季節になってきた。そして、徐々に気温が上がってくるにつれてファッションも身軽になり、それに伴って手首が露出する機会も当然多くなってくる。そうなると、ファッションのアクセントとしても重要になってくるのが腕時計である。
そこでちょっと気が早いかもしれないが、これからの汗ばむ季節にこそ使い勝手がいいダイバーズウオッチに注目したみたい。今回は10万円アンダーの価格で買えて、しかも、ム―ヴメントは日本メーカーのミヨタの機械でも最上位機種に位置し、通常の8000番台よりも極端に少ない9000番台を搭載する自動巻きモデルに絞ってピックアップ。ファッションのアクセントとして良さそうな、テイストの違う3種類のダイバーズウオッチを選んでみた。
BALTIC(バルチック)|アクアスカフ
パリ発・アンティーク時計コレクターが手がける話題のダイバーズウオッチ
Ref.BL-AQUASCAPHE Blue Gilt。SS(39mm径)。20気圧防水。自動巻き(Cal.MIYOTA 9039)。9万2400円
バルチックは、アンティークウオッチコレクターを父にもち、その影響から自身も時計コレクターとなったエティエンヌ・マレク氏が立ち上げたフランス発の時計ブランド。
今回取り上げた“アクアスカフ”は、39mmと程よいサイズ感と、名作フィフティファゾムスを彷彿とさせるレトロダイバーテイストのデザインが目を引く200m防水のダイバーズウオッチコレクションだ。
写真からはわかりにくいが、文字盤カラーはサンレイ仕上げのネイビー。フチなしのドットインデックスを採用するなど50年代らしいレトロ感を強調する。前述したように現行のダイバーズウオッチとしてはやや小振りなのに加え、約12mmと比較的スリムなフォルムなのも大きな魅力だ。逆回転防止ベゼルにはサファイアガラスがインサートされており、なんとなくかつてのGMTマスターにあったベイクライトベゼルを思わせる演出も。
搭載する自動巻きムーヴメントはミヨタの自動巻きの中でもプレミアムに位置付けられる9000番台のCal.9039という点もポイントだ。
エイチエムエス ウォッチストア表参道 TEL.03-6438-9321
DUFA(ドゥッファ)|フライトウハー・オートマティック
バウハウスデザインならではのシンプルダイバーズの最新形
Ref.DF-9034-11。SS(41mm径)。15気圧防水。自動巻き(Cal.9015)。6万6000円
フライトウハー・オートマティックは、バウハウスの機能主義デザインをコンセプトに展開するドイツブランド“ドゥッファ”が昨年12月にリリースした新作ダイバーズウオッチである。
先に取り上げたバルチックとは雰囲気がガラッと変わって、マット仕上げのシンプルなアルミニウム製ベゼルを採用。文字盤も要素を極力絞り空間を生かしたデザインを取り入れつつ、6時位置のデイト表示窓などポイント的に、華やかなレッドを差し色として使うなど、バウハウスらしいシンプルモダンなデザインが目を引く。
風防にはサファイアガラスを採用し、写真のブレスレットは付属のラバーベルトにも変えられるため2とおりの雰囲気が楽しめる。自動巻きムーヴメントはミヨタの9000番台、Cal.9015を搭載する。
ウエニ貿易 TEL.03-5815-3277
OUTLINE(アウトライン)|コンプレダイバー1960
1960年代のコンプレッサーダイバーズがデザインモチーフ
Ref.YK18001-2(ネイビー)。SS(40mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.9015)。4万9500円
パワーウオッチやロービートなど時計専門誌の総編集長、菊地吉正氏が立ち上げた時計ブランド“アウトライン”。このコンプレダイバー1960は、同氏が初めて手がけたコレクションである。
これは、回転ベゼルを風防ガラスの内側に装備し、それを2時位置のボタンを回して操作するという、1960年代にケースメーカーが開発し、ジャガー・ルクルトやロンジンなどにも供給した防水ケース“コンプレッサーケース”を使って作られた往年のダイバーズウオッチがモチーフとなっている。
ベゼルには階段状になった通称ステップベゼルを採用し、風防はK1強化ガラス(ミネラルガラス)をちょっと突き出た感じのボックス型にして、古典的な雰囲気を強調している。
搭載する自動巻きムーヴメントはミヨタで、先に取り上げたドゥッファと同じく9000番台のCal.9015。毎時2万8800振動のハイビート機だ。現在、当サイトのオンラインショップで販売中!
シーズ・ファクトリー TEL.03-5562-0841
文◎堀内大輔(編集部)