スイス、ジュラ山脈にあるラ・コート・オ・フェから歴史がはじまった“PIAGET(ピアジェ)”。世界で最も薄い機械式腕時計、“アルティプラノ アルティメート コンセプト”が代表作であり、時計好きの間でも有名ではありますが、同ブランドが誇る技術はなにも最薄のムーヴメントを手がけることだけではありません。
それと同時に、創造性と芸術的な価値にも重きを置き、ゴールドや宝石を用いたラグジュアリーなジュエリーウオッチの製作技術も磨いてきました。
4月7日(水)から世界同時開催された“WATCHES AND WONDERS 2021”にて、ピアジェは、アルティプラノの起源に立ち返った“アルティプラノ オリジン”と、アシンメトリーな曲線ケースが特徴的な“ライムライト ガラ”の、二つのレディースコレクションを発表。ブランドの歴史に裏打ちされた時計製作技術を堪能できるコレクションを、今回は詳しく紹介していきます。
アルティプラノ オリジン
これまでに培ってきた、薄型ウオッチに関する技術力が最大限に発揮された、アルティプラノコレクション。アルティプラノの起源は、ブランド初の薄型ドレスウオッチとして1957年に誕生した、手巻きキャリバー9Pまで遡ります。キャリバー9Pは当時では薄型に分類される機械式ムーヴメントのひとつでした。
その後1960年に、厚さ2.3mmのキャリバー12Pを製作。これは史上最も薄い自動巻きムーヴメントであったと言われています。
以降ピアジェでは、自動巻きおよび手巻き機構のものから、スケルトンやデイト表示付きまで、すべてのウオッチカテゴリーで薄型ムーヴメントを製造し、世界初という記録を自社で更新していきました。
アルティプラノという名前は、薄型のエレガントなデザインを代表するコレクションとして1998年から用いられています。その最新モデルが今回発表された、ケース径35mmのアルティプラノ オリジンです。
ダイヤモンドなしの18金ピンクゴールド製ケースと、ピアジェ熟練のジュエラーがセッティングした、76個のラウンドブリリアントカットダイヤモンドがベゼルを飾る18金ピンクゴールド、または18金ホワイトゴールド製のダイヤモンドケース、三つで展開。
ムーヴメントには自社製自動巻きキャリバー501Pを搭載し、ケース厚8.1mmを実現しています。35mmサイズはアルティプラノにおいては初となります。
■(左)Ref.G0A45405。K18PG。217万3600円。(中)Ref.G0A45406。K18PG。301万4000円。(右)Ref.G0A45407。K18WG。316万8000円。すべて35mm径。3気圧防水。自動巻き(Cal.501P)
ライムライト ガラ プレシャス リミテッドエディションズ
ケースの上下にラグをひとつだけ設けたアシンメトリーなデザインが特徴的な、ブランドのアイコンコレクションであるライムライト ガラ。およそ150年におよぶピアジェのウオッチメイキング技法と、繊細なジェムセッティング技術がうまくマッチした、ラグジュアリーな雰囲気が魅力です。
そんな同コレクションからは、宝石や文字盤、ゴールド素材違いで、計6モデルが登場しました。
■(左から)サンライズ。Ref.G0A46183。K18WG。世界限定18本。1610万4000円。ゼニス。Ref.G0A46189。K18WG。世界限定8本。2816万円。サンセット。Ref.G0A46182。K18PG。世界限定50本。743万6000円。レインボー。Ref.G0A46188。K18PG。1196万8000円。すべて32mm径。3気圧防水。自動巻き(Cal.501P1)
透き通る朝の空を表すブルー、天頂の太陽を象徴するイエロー、夕日の輝きを表現するピンク。1日の太陽の動きを、三つの魅力的なカラーで表現した新作。またライムライト ガラ史上初となるレインボーセッティングのプレシャスなモデルも登場しました。
ベゼルの周りからラグの先端にかけ、サファイアやダイヤモンドが、流れるようなグラデーションを描いて時計を彩ります。
ピアジェの宝石鑑別士が無数のストーンのなかから長い時間をかけて、完璧なシェードとサイズのジェムストーンを選りすぐり、ジェムストーンからジェムストーンへ、シームレスなカラーグラデーションを創り出しています。
なお写真右端のレインボーモデルは、ブレスレットも特別。細く小さいコマ(リンク)をしっかりとつなぎ合わせた後、丁寧にはんだ付けをして最後にエングレービングを施しており、これらはすべて手作業で行われています。
■(左)マザー オブ パール パレス。Ref.G0A46151。K18PG(26mm径)。3気圧防水。クォーツ(Cal.59P)。288万2000円。(右)ハイジュエリー ブラックオパール。Ref.G0A46172。K18WG(28.6×36.8mmサイズ)。3気圧防水。クォーツ(Cal.56P)。5060万円
60個のラウンドブリリアントカットダイヤモンドとマザーオブパール文字盤を組み合わせたマザー オブ パール パレス(左)モデル。文字盤にはパレス装飾の繊細なエングレービングが施されています。
ハイジュエリー ブラックオパール(右)の文字盤には、オーストラリア産の希少なブラックオパールを採用。独特の結晶パターンによって地球の豊かさを鮮やかに表現し、光によって変化する、美しいブルーとグリーンの色合いを創り出しています。
またダイヤモンドと83個のマーキスカットエメラルドを、ライムライト ガラ特有の曲線に沿って配置することで、時計全体で躍動感を表しています。
文◎松本由紀(編集部)
【問い合わせ先】
ピアジェ コンタクトセンター
TEL.0120-73-1874
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