新世代のジャパンブランドが豊富にラインナップされている10万円以下の価格帯から、ベーシック、スポーツ、個性派と三つのカテゴリーで編集部おすすめのモデルを選出。その魅力を解説していこう
》スタンダード、スポーツ、個性派と三つのテーマで厳選
近年、新興のジャパンブランドが続々と登場し、玉石混交の状態となっている10万円以下の価格帯。時計としての品質にこだわるならば、国産ムーヴメント、国内組み立てにこだわったブランドを選びたい。ここでは編集部のおすすめとして“スタンダードモデル”、“スポーツ系モデル”、“個性派モデル”と三つのテーマで、それぞれ注目ブランドを厳選。いずれも明確なデザインコンセプトをもって時計を製造しているのが共通の特徴となっている。
クラシックなムーンフェイズを軸にしたカル・レイモンのシンプリシティー2は、定番モデルをベースに、装飾をなくすことでクラシックデザインを先鋭化させたのが特徴。ダマスカス鋼を文字盤に採用した時計を展開するムシャも、コレクションを発売するごとにデザイン性と品質を高めており、この2ブランドは、玉石混交の新世代ブランドのなかにあって、ひときわ強い存在感を主張している。
また、パーツの作り込みという点でほかにはないこだわりを感じさせるのが、アウトラインの“パートナーⅠ”だ。製作にあたって現在では製造が途絶えていた1950年代当時のリベットブレスまでオリジナルで製作。機械式腕時計の黄金期だった40~60年代の時計がもつ雰囲気を手頃な価格で再現するという同社コンセプトを見事に体現している。
三者三様のモデルだが、いずれも、価格以上の満足感を備えた良作なので、ぜひ実機でその質感を確かめてほしい。
【おすすめスタンダードモデル】
KARL-LEIMON(カル・レイモン)
シンプリシティー2
人気モデルシンプリシティーをベースに、よりクラシックで簡潔なデザインを目指して開発された第3弾。あえて装飾をなくしたシンプルな文字盤を採用することで、デザインバランスやディテールを際立たせている。
■SS(38mm径)。5気圧防水。クォーツ(Cal.6P24)。3万3550円
編集部のおすすめポイント
「装飾の多いデザインは要素が多い分だけパーツの作りやデザインの甘さをごまかすことができますが、シンプルなデザインはごまかしが利きません。デザインバランス、パーツの品質に自信があるからこそ実現できたカル・レイモンの集大成といえる良作だと思います」
》問い合わせ先
カル・レイモン(info@karlleimonwatches.com)
※メールでの問い合わせ
公式サイト: https://www.karlleimonwatches.com
【おすすめスポーツ系モデル】
OUTLINE(アウトライン)
アウトライン“パートナーⅠ”
アンティークロレックスの愛好家として知られる個性派俳優“木下ほうか氏”が監修。1950年代半ばから60年代半ばに製造されたロレックスのスポーツモデルを彷彿とさせるデザインとリベットブレスが特徴となっており、愛好家ならではのこだわりが随所に盛り込まれている。
■Ref. YK20201-1。SS(40mm)。10気圧防水。自動巻き(セイコーエプソン製Cal.YN 55A)。6万6000円
編集部のおすすめポイント
「1950 ~ 60年代のロレックスのスポーツモデルに採用された“リベットブレスレット”を再現したオリジナルブレス、経年変化を表現したブラウン文字盤など、妥協のない作り込みが素晴らしい。手頃な価格でありつつ、時計好きも満足できる仕上がりを実現しています」
》問い合わせ先
シーズ・ファクトリー(outline@cs-factory.com)
※メールでの問い合わせ
公式サイト: https://outlinewatches.tokyo
【おすすめ個性派モデル】
MUSHA Made In Japan(ムシャ)
シックスエンペラー
縞模様を備えたダマスカス鋼文字盤が強烈な存在感を主張する気鋭のジャパンブランド。このモデルは人気モデル“ノブナガ”の後継に当たり、五つのエッジカットを施した重厚なベゼルなど、織田信長の家紋“織田木瓜紋”からインスパイアされた意匠を受け継いでいる。
■SS(40mm径)。5気圧防水。クォーツ(Cal. Ronda 705)。一般発売予定価格6万6000円
編集部のおすすめポイント
「ファーストモデルである“ノブナガ”、セカンドモデルの“サムライ”と、コレクションを発売するごとにデザインが洗練されており、新作では近年のトレンドである“ラグスポ”テイストのデザインと、アイコンとなっているダマスカス鋼文字盤を見事に融合させています」
》問い合わせ先
株式会社ソウゾウ(info@musha.shop)
※メールでの問い合わせ
公式サイト: https://musha-ja.com
文◎船平卓馬(編集部)