》手仕事とカスタムメイドにこだわる、フランス発の未上陸ブランド
Sartory Billard(サルトリー・ビラール)は2015年にアーマンド・ビラードが設立し、フランスをベースに活動する日本未上陸の独立系時計ブランド。デザイン段階から、一部の部品製造、そして時計の組み立てまでオーダーメイドで時計を製造することを特徴としている。
創業者兼オーナーのアーマンド・ビラードは、20年以上にわたり電話、ガソリンポンプ、ダイバーズゴーグルなどの工業デザイナーとしてキャリアがある。
自分の名前を冠したシグネチャーブランドを創設する際に、彼が重視したのが“時計の作り手と顧客との間で生じる、創造的なプロセスを大事にする”というコンセプトである。
生産性が求められる現代社会だが、サルトリー・ビラードは時計作りに関して反対の立場をとっており、十分な時間をかけ、個性的な時計を手作業で行っている。 彼らは、時間をかけ仕事をすることを信条としており、その制作過程では、各制作過程の画像やメッセージを購入者へ届けることにより、ハンドメイドウオッチの誕生を楽しんでもらえるようにしているのだ。
"時は金なり"と言う言葉があるが、時計職人は誇りをもって仕事をし、顧客ニーズに合わせて時間をかけて個性的な時計を作る。サルトリー・ビラールのように、顧客がそうして作られた時計を適正な価格で生涯にわたって楽しむことができるというのは、とても心強いことである。サルトリー・ビラールの今後のカスタム展開にさらなる期待をしつつ、動向を見守って行きたい。
Sartory Billard(サルトリー・ビラール)
SB01
2015年の創業以来、4モデルを発表。ファーストコレクションの“SB01”は、当初は合計88本の限定生産だったが、現在はウェブサイトで約32万円で購入することが可能だ。
■SS(44.5mm径)。自動巻き( Cal. ETA2824-2)。2900euro(約37万7000円)
Sartory Billard(サルトリー・ビラール)
SB02
セカンドコレクションとして発表された“SB02”から、時計を購入者自身でカスタマイズできるシステムを採用。“SB02”では、カーボン、スチール、真鍮、アセテートの四つから素材を洗濯して、ベゼルの色とその仕上げ、ベルトを選択することができる。サルトリー・ビラードは、後にフルオーダーメイドの時計を提供する時計ブランドになるが、この“SB02”はそのための第一歩を踏み出したモデルと位置付けられるだろう。
■SS(39mm径) 。100m防水。自動巻き(Cal.Miyota 8215)。650 euro(約8万5千円〜)
Sartory Billard(サルトリー・ビラール)
SB03
2018年のバーゼルワールドで初めて発表されたカスタムメイドモデル“SB03”。色とりどりのカラーバリエーションでギョーシェ文字盤をラインナップしており、フランスにあるサルトリー・ビラールの工房でデザインと組み立てを行っている。
■SS(42mm径)。自動巻き。 1500 euro(約19万5千円〜)
Sartory Billard(サルトリー・ビラール)
SB04
サルトリー・ビラールの最新モデルである“SB04”。文字盤、インデックス、針はフランスで製造され、文字盤のディテールとケースはスイスのファミリー企業で製造されている。ケース、針、インデックスはチタンとステンレススチールから選ぶことが可能。文字盤の色はパープル、バーガンディ、ブルーなどがあり、隕石、マザーオブパールなどの様々な石や金属を使用したカスタムメイドの文字盤を作ることも可能である。
■SSorTI(40mm径)。自動巻き(Cal.STP 3/13)。 2500 euro(約33万円〜)
時計パーツはすべて顧客のニーズに合わせ、主にフランスの工房で製作され、“SB04”の時計は1本が完成するまでに平均4カ月を要している。カスタマイズ性の高い時計であるが、約2500ユーロ(約33万円〜)からの価格帯となっており、カスタムであって手頃な価格で提供しているのが魅力的だ。
》Sartory Billard(サルトリー・ビラール)公式サイト)
sartory-billard.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
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