時計好きが憧れる人気ジャンル、ラグジュアリースポーツウオッチにオマージュを捧げたデザインと、手頃な価格が人気を集めている“ラグスポテイスト”のモデルをクローズアップ。編集部おすすめのモデルを紹介していこう。
》オンオフ兼用できてコスパ抜群な“ラグスポテイスト”に注目
カジュアルなファッションでもスーツに合わせても違和感のない高級感とスポーティさを兼ね備えたラグジュアリースポーツ(以下ラグスポ)。1970年代に高級時計メーカー各社が手掛けるようになった比較的新しいジャンルであり、元々はスポーティに使えるステンレススチール素材を採用しつつ、徹底した作り込みによりドレスウオッチにも引けを取らない高級感を与えた時計を指す。
1972年、オーデマ ピゲが発表したロイヤル オークを皮切りに、76年に登場したパテック フィリップのノーチラス、77年に登場したヴァシュロン・コンスタンタンの222など、実に様々なラグジュアリースポーツウオッチがリリースされ、現在では時計好きが憧れる人気ジャンルのひとつとなっている。
前述の通り、本来の“ラグスポ”は、コストをかけて高品質な外装を突き詰めたスポーツウオッチなのが、もうひとつ特徴的なのが、エッジを立たせて立体感を強調しつつ、ケースとブレスレットに一体感をもたせたシームレスなデザインだろう。ロイヤルオークやノーチラスに代表されるこのシームレスなフォルムは、その後の時計デザインに大きな影響を与えており、“ラグスポ”を象徴するデザインとして定着しているのだ。
今回注目したのは、この“ラグスポ”を象徴するシームレスデザインを取り入れつつ、手頃な価格でコレクションを展開する“ラグスポテイスト”の腕時計。ここ最近ラインナップを増やしており、10万円を切る価格帯からも、デイリーユースに最適なモデルが登場している。正直、“ラグスポテイスト”と言っても様々で、玉石混交の状況なのだが、今回は10万円以下と10万円以上、予算別に編集部が太鼓判を押す、オススメモデルをピックアップしてみた。
》10万円以下で選ぶ、編集部のおすすめモデル
TISSOT(ティソ)
ティソ ピーアールエックス クォーツ
ティソが1978年に手がけたヘリテージモデルベースに、現代の技術と感性で再解釈を加えた復刻モデル。ブレスレットに向かってシームレスに変化を遂げるスリムなケース、シャープなインデックス、そして人間工学に基づいて開発されたという機動性と柔軟性を備えたシャープなブレスレットを採用し、美観と機能性を両立。ベゼルや面とししたエッジ以外のパーツをヘアライン仕上げで統一するこで、コストを抑えながらも美しい質感を実現しているのも好印象だ。
strong>■Ref. Ref.T137.410.11.041.00。SS(40mm径)。10気圧防水。クォーツ(Cal.ETA F06.115)。5万5000円
【問い合わせ先】
ティソ
TEL:03-6427-0366
https://www.tissotwatches.com
》10万円以上で選ぶ、編集部のおすすめモデル
WEMPE(ヴェンペ)
アイアンウォーカー オートマティック36
140年以上の歴史をもち老舗の高級宝飾店として知られるヴェンペのオリジナルブランド。この “アイアンウォーカー”は約10年ぶりの新シリーズとして2020年に発表された新機軸であり、 “ラグスポ”にインスパイアされたシームレスなフォルムを採用ししているのが特徴となっている。また均一となったヘアライン仕上げがエッジ感を適度に強調し、フォルムを強調。ブレスはコマの角のみにポリッシュ仕上げを施すことでフォルムをいっそう際立たせた。ケース厚が10㎜以下に抑えられていることに加え、ケースの厚みに合わせてブレスレットも薄く仕立てられているため、手首によくなじみ非常に着けやすい。シャツの袖口にも納まる36mmの小振りなサイズ感も魅力的だ。
■Ref.WI100001。SS(36mm径/9.75mm厚)。10気圧防水。自動巻き(Cal.ETA2892-A2)。37万9500円
【問い合わせ先】
シェルマン日本橋三越
TEL:03-6225-2134
シェルマン公式サイト
http://www.shellman-online.jp
文◎船平卓馬(編集部)