アジムートというブランドを覚えているだろうか。シンガポールに本社を構え2003年にスタートした新興のウオッチブランドである。ルーレット台やロボット、宇宙船などをモチーフにした奇抜なデザインで日本でも話題になったため、時計好きな御仁であれば「あ〜、あのブランドね」とすぐ思い浮かぶのではなかろうか。
さて、今回取り上げたのは、そんなアジムートのコレクションでブリキのロボットをモチーフにした代表的モデル “ミスター・ロボット”のブロンズケースバージョン(生産終了)の限定モデル。
左がオリジナル、右が今回リリースする限定エディション
このモデルは、筆者が刊行するパワーウオッチ本誌にもコラムを連載し、さらには自身の「時計愛」論を独自のスタイルでSNS上でも発信を続けている日本人時計愛好家、ハンドルネーム「くろのぴーす」氏。彼が独立系時計メーカーとのコレボレーションで展開するシグネチャモデルの第5弾として手がけたものだ。その名も 『ミスター・ロボットくろのぴーす限定エディション「インサイドアウト」』
鍵巻き式を模したリューズを備えるなど、昔のブリキのロボットそのままのデザインに目を奪われがちだが、左目が時表示、右目が第2時間帯GMT表示、そして口の部分がレトログラード式分表示となっているなど、実はなかなかのスグレモノ。しかもスイスETA社の自動巻きムーヴメントを搭載した機械式モデルなのである。
5本限定でリリースする 『ミスター・ロボットくろのぴーす限定エディション「インサイドアウト」』
シグネチャモデルでは、ロボット内部の機械をモチーフとしたエングレーブがブロンズケース全体に施されており、擬似的なスケルトンを表現しているというが、どことなくスチームパンクっぽく見えてなかなかおもしろい。また、「サブダイアルのディスクをブルーにすることで、中と外がひっくり返って宇宙を取り込んでしまった様子を表現しています」(くろのぴーす氏)。まさに同氏らしいなんとも遊び心あふれるユニークな作りとなっている。
限定本数は5本で価格は128万400円。決して実用的な時計とは言わないが、大人の遊び心が凝縮されていて、見る人に与えるインパクトは絶大。刺激的なセカンドウオッチを探している人にとっては、これ以上ない魅力的な1本になるに違いない。
文◎菊地吉正(編集部)/クロノセオリー TEL.03-6228-5335(pr@chronotheory.jp)