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【知っておきたい腕時計の基本】いつか役立つ日が来るかも!? スケールの種類と使い方

 腕時計のジャンルのなかでも人気の高いクロノグラフ。
 これらクロノグラフモデルには必ずといっていいほど、文字盤もしくはベゼル上にスケール(目盛り)が備えられている。このスケールは様々な計測や計算ができるという実用性もさることながら、機能的な雰囲気をプラスできるなどデザインとしてもクロノグラフには欠かせないものだ。

 一方で、現代において実生活でこうしたスケールを活用する機会がほとんどないことも確かであり、なかには単にデザインの一部としか捉えていない人も意外と多いのではないだろうか。ただ、せっかく搭載されている機能なのだから、使い方ぐらいは覚えておいて損はない。
 そこで今回はクロノグラフに装備される主なスケールの種類と、それぞれの使い方を改めて解説したい。

 

[タキメーター] 最もポピュラーなスケール

 クロノグラフに搭載されるスケールはいくつかあるが、そのなかで最もポピュラーなのが、タキメータースケールだ。このスケールでは自動車などの走行時速や平均速度が計測できる。例えば自動車の平均時速を計測する場合、クロノグラフを作動させたスタート位置から、ちょうど1km(もしくは1マイル/タキメーターがマイル表示の場合)に到達した時点でクロノグラフをストップさせる。その際、クロノグラフ秒針が指したタキメーター上の数字が、その時点での“平均時速”になるというわけだ。

 

[テレメーター] 地点間の距離を測定

 かつてタキメーター以上に活用されていたのが、音と光の時間差を利用して、二つの離れた地点間の距離を割り出すことができるテレメーターだ(写真の時計では赤でプリントされたスケール)。例えば、雷が光った瞬間にクロノグラフをスタートさせ、音が聞こえたらストップ。針の指す数字が雷が落ちた場所と自分のいる位置との間の距離となる。

 

[パルスメーター] タキ・テレと並び歴史の古いスケール

 パルス、つまり脈拍を図るためのスケールだ。クロノグラフをスタートさせると同時に、脈をカウント。規定の数(このスケールの場合、30)に達したらクロノグラフをストップさせる。その際、針が示す数字が脈拍数だ。なお規定数が15、もしくは20というタイプもある。

 

[スネイルタキメーター] デザインとして多用されることも

 一般的なタキメータースケールでは時速60km以下の速度をカウントできない。対してこのスネイルタキメーターでは、渦状のスケールを用いることで時速20kmまでの低速が計測できる。主に自動車が一般に普及する以前に用いられていたもので、近年は古典的な雰囲気を強調するため、あえてデザインの一部として採用されることも多い。

 

[航空用回転計算尺] ブライトリングが特許を取得した独自スケール

 ベゼルを回転させることで、掛け算、割り算、時間計算など様々な計測が行えるのが回転計算尺だ。ブライトリングはこのアイディアで1940年に特許を取得(後にナビタイマーに発展)。以降、自社のクロノグラフモデルに採用しており、同社のアイコン的なディテールともなっている。

 

文◎堀内大輔(編集部)

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