女性編集者がレディースウオッチの新作を実際に見て、感想を交えて紹介する本企画。今回は時計とジュエリーの名門ブランドとして名高いPIAGET(ピアジェ)に取材をしました。
時計好きの人はすでにご存じだとは思いますが、ピアジェが時計業界で一目置かれる理由として挙げられるのが、“薄い時計の開発に力を入れていること”。そしてその象徴ともいえるモデルが、2018年にプロトタイプとして発表され、2020年に製品化されたアルティプラノ アルティメート コンセプト。世界最薄のケース厚わずか2mmを実現し、時計業界を驚かせました。
【モデル紹介】
・世界最薄! ケース厚わずか2mm
時計は風防、歯車、地板、裏ブタというように4層で構成されているのが普通ですが、本作は一般の時計が4層で構成されているところ、2層で構成されているため、極限まで薄く設計することができるのです。
コンセプトモデル発表まで、なんと4年もの歳月を費やしたピアジェ。発表当時は販売を目的としたものではなく、市販化は難しいだろうとの声も上がっていたものの、さらに2年の歳月を経て、ついに製品化が実現しました。
・五つの特許を取得
2年前のコンセプトモデル発表時は特許出願中であった極薄の香箱をはじめ、極薄の調速機構、サファイアクリスタルの接着、ウォームスクリューによる極薄の巻上げ機構、そしてケースに埋め込まれたフラットシェイプの伸縮式リューズと五つの新たな特許技術を取得。これらの開発があってこそ、驚くほどの薄さを実現しているのです。
ちなみに特許のうちのひとつ“ウォームスクリュー”に関連し、リューズの巻き上げはどうやって行うのかを説明しましょう。ケースサイドにあるフラット型の特殊なリューズに、アダプタのような専用の工具を差し込んで巻き上げを行います。リューズが2mmの厚さに抑えられなかったため、考え出された案として、アダプタ式の工具で作業を行うようにしたそうです。
・自分好みにパーソナライズ
基本的にはオーダー制である本作は、その緻密な作業により限られた職人しか製作に携われないため、製作本数は年3〜5本ほど。そのかわり細かいデザインまでこだわりたいオーナーの要望にも対応しており、ベルトや文字盤の色はもちろん、事前に部品ごとに色を指定することができ、なんとのべ1万通りもの組み合わせができるといいます。また好きなアルファベット3文字までを彫り込むこともできます。
【装着感は?】
“だまし絵”かと思うほど、びっくりするほど薄いケース厚。手首に乗せて横から見ると、まるで紙を乗せているくらいの厚みで本当に驚きます。また重さについては、軽すぎて正直時計を着用している感覚がないほどでした。
41mmというと通常はメンズモデルであるため嫌煙されがちですが、2mmという薄さと軽さを実現しており、それに合わせてベルトも1.5mmの厚みで作られているため、すっきりとした着け心地でした。薄い分、袖口を邪魔せずにより手首とフィットするため、見た目もゴツくならずに手首をエレガントに演出してくれます。女性で着用する人も増えているようです。
【推しのポイント】
ジュエラーゆえのデザイン力の高さ
世界屈指の人気ジュエラーとして知られるピアジェ。美しい数々のジュエリーを手がけてきたデザイン力は時計のデザインにも生かされています。本作に関して、驚きのケース厚ばかりに目がいきがちですが、文字盤から見える各パーツのセッティングからもエレガントさを感じます。男性のみならず、女性の腕にも映える、機構の美しさが際立つ機械式腕時計です。
文◎佐波優紀(編集部)
【問い合わせ先】
ピアジェ コンタクトセンター
TEL:0120-73-1874
ピアジェ公式サイト
https://www.piaget.jp/