女性編集者がレディースウオッチの新作を実際に見て、感想を交えて紹介する本企画。今回はBREITLING(ブライトリング)から、2020年10月に発表された、注目のクロノマット初のレディースモデル“クロノマット オートマチック 36”と“クロノマット32”に注目しました。
【モデル紹介】
旗艦モデル“クロノマット”のおさらい
1983年に誕生したクロノマットは、もともとフレッチェ・トリコローリというイタリア空軍のアクロバットチームのために作られたモデルです。空中やコックビッドでは機能性をいかんなく発揮でき、そして地上に降りたあとはエレガントに着用したいというイタリアらしい要望に応えるべく開発されました。
当初はパイロットウオッチとして名を馳せたクロノマットですが、1990年代にはタキメーター機能を用いF1レースでも活用されるなど、空の領域だけなく多様に使われるようになりました。
実はレディースにも力を入れてきたブライトリング
メンズ時計としてのイメージが強いブライトリングですが、世界的に懐中時計にかわり、腕時計が主流になりはじめた時代からレディースモデルが存在していました。そして、ブライトリングがパイロットウオッチブランドとしての地位を確立してきた50年代には、初期のトランスオーシャンのレディースウオッチを発表。90年代にはレディーJというクロノマットのデザインを引き継いだレディースモデルも登場しています。
現在のレディースコレクションはエレガント、そしてスポーティーなダイバーズウォッチ“スーパーオーシャン オートマチック 36”があり、今回のクロノマットはデザイン的にその中間に位置することになります。
新作レディースモデルの特徴
・1983年当時のデザインを踏襲
ライダータブ付きのベゼルのモチーフ、アイコニックなルーローブレス、そして刻み入りのリューズなど、当時の意匠を取り入れたデザインを採用。スポーティかつエレガントな雰囲気は、レディースモデルにおいてより美しく引き立てられています。
・デザインの特徴
1. ライダータブにインスピレーションを得たベゼル
ベゼルにはクロノマットの特徴でもあるライダータブをイメージしたデザインが採用されています。このタブ、入れ換えはできないものの、モデルによってはダイヤモンドが埋め込まれているなどして、デザインにアクセントを加えています。
2. ラッカー塗装の文字盤
文字盤には光沢感のあるラッカー塗装を採用。洗練された印象をもたらし、女性らしい雰囲気が高められています。
3. ルーローブレス
筒状のコマを連なるように重ねた、特徴的な形状のルーローブレス。オリジナルモデルから用いられてきたもので、2020年4月にメンズモデルで約20年ぶりに復活して話題になりました。オリジナルと異なり、サテンとポリッシュのコンビの磨き上げがなされており、スポーティかつエレガントな雰囲気を引き立てています。
4. 多彩なバリエーション
36mm径のクロノマット オートマチック 36では10種類、32mm径のクロノマット 32では7種類のバリエーションを用意。36mmのグリーンとカッパー(サーモンピンクのような色合い)は36mmのみの展開となります。
またそれぞれダイヤモンドがついたラグジュアリーなモデルや、アイコニックなデザインを引き立たせるシンプルなデザインのものなど、バリエーションは実に豊富。自分好みのデザインにマッチした1本を選ぶことができます。
・使われている機構は?
32mm径のクォーツモデル“クロノマット 32”は従来にも採用されているスーパークォーツムーヴメントですが、自動巻きモデルの“クロノマットオートマチック 36”に搭載されているは、2020年に発売したメンズモデル“スーパーオーシャンヘリテージ'57”に初めて採用されたスーパークォーツムーヴメント。レディースモデルでは本作が初めての搭載となります。
【装着感は?】
ルーローブレスのひとコマ一コマが吸い付くように手首にフィットするため着け心地は良好。見た目は重厚感があって“重いのかな”と想像していましたが、着け心地が良いためか、まるでコマの内部が空洞になっていると錯覚するくらい、軽く感じました。
このコマはひとつずつ削り出しで作られており、コマ同士を複雑につなぎあって成形されています。
【推しのポイント】
フェミニンすぎないデザイン
ベゼルやルーローブレスなどアイコニックなディテールを取り入れつつも、3針にバーインデックスを採用するなど、シンプルな雰囲気を感じさせる本作。フェミニンになりすぎない洗練されたデザインは、多くの女性の心をつかむこと間違いなし。カジュアルにもラグジュアリーなスタイルにもマッチする“ちょうどいい”デザインで使い勝手も良好です。
また鏡面仕上げを採用したベゼルに5分置きに施された目盛りが、光の当たり具合でキラキラと輝くのも特徴。ラグジュアリーで上品に腕元を演出してくれます。
文◎佐波優紀(編集部)
【問い合わせ先】
ブライトリング・ジャパン
TEL:0120-105-707
ブライトリング公式サイト
https://www.breitling.com