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【ロレックス】通信 No.061|2世代実機比較レビュー! 回転ベゼルを備えたデイトジャスト“ターノグラフ”「後編」

 前編ではターノグラフについて解説したが、後編では、ターノグラフとそのひとつ前のレファレンスとなる、通称サンダーバードとの違いについて実機で比較検証してみたいと思う。

 まず写真を見てもらいたい。右が回転ベゼルを備えたデイトジャストの6世代目、ターノグラフのRef.116264だ。そして左が5世代目のRef.16264(以降サンダーバードと記載)である。こうやって並べるとデザイン的には明らかにモダンに変わっているのがわかるだろう。その印象を最も強めているのは回転ベゼルの仕上げの違いが大きい。

回転ベゼル付きデイトジャストの第6世代ターノグラフ(右)と第5世代の通称サンダーバード、Ref. Ref.16264(左)

 もちろんベゼルは両者ともに18金ホワイトゴールド製(18金イエローゴールド製もある)だが、サンダーバードは “ファインリーエンジンターンド(ジェットエンジンのように見えることが由来だと言われている)”と俗に呼ばれるもので現在は使われていない仕様。よりアンティークのような雰囲気を感じるのはそのためだ。

 それに対してターノグラフは、現在も通常のデイトジャストに採用されている山形にカットされた“フルーテッド”をベースに、目盛りが刻まれているタイプのため現代的な印象なのである。つまり、この両者の場合はまずこのベゼルに対する好みが大きく分かれる部分と言えるだろう。


【ベゼル】左のサンダーバードには、1950年代のセカンドモデルから採用されたエンジンターンドモチーフが継承され古典的な雰囲気を残す。一方のターノグラフはデイトジャストと同じフルーテッドがベース

 搭載するムーヴメントは、両者ともにいまや旧型となったCal.3135。しかしながらターノグラフは耐磁性に優れ、温度変化にも強いパラクロムヒゲゼンマイが新たに採用されているため、ポテンシャルはかなり高い。

 さて、気になる実勢価格だが、ターノグラフ(Ref.116264)が60万円台後半から80万円台半ば。一方のサンダーバード(Ref.16264)が50万円台前半から60万円台半ばと、両者には10〜15万円ほどの開きがある。ただ、サンダーバードは1988年頃から2003年頃までと約15年も製造されている。そのためなるべくなら高年式のものを狙いたいところだ。

ほかのディテールモチェック!

【インデックス】サンダーバードはアップライトの細身のバ−インデックスだが、ターノグラフは太くしっかりとしたものに変更。しかも高さを変えてツートンに仕上げられているため見やすくなっている。ただ、夜光のドットは相変わらず小さいが視認性は多少向上した

【ラグ&弓カン(フラッシュフィット)】サンダーバードに比べてラグ部分は少し厚みが増しふっくらと丸みを帯びた感じに仕上がっている。フラッシュフィットもターノグラフはステンレスの無垢から削り出したものが使われているため強度はかなり向上

【バックル】サンダーバードはシンプルなシングルロックタイプ。ターノグラフはスポーツモデル以外の3連オイスターブレスに2004年頃から採用された、バックルの先端部分を少し引き上げて解錠するタイプが装着されている

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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