ケーブル充電に依存しないスマートウオッチが今後の覇権を握る?
スマートウオッチの誕生以降、実に様々なメーカーが、様々なものを手掛けてきたが、いまだに大きな課題となっているのが、動力とバッテリー問題。つまり“いかにして動力となる電気を得て、バッテリーの持続時間を伸ばすか”ということだ。
これに対し、メーカー各社は省電力化に取り組むなど改良を重ねてはいるが、高機能なモデルならフル充電で1日分のバッテリーを確保できれば御の字、GPSを使用する場合は約半日持てばいいというのが現状だ。
スマートウオッチにおける動力の主流はバッテリー充電方式。十分な電力を確保するには頻繁なケーブル充電が必要で、課題はいまだ多い。
そんななか、シチズンのように光で発電し、バッテリーを充電する光発電エコ・ドライブ技術を用いたスマートウオッチなど、ケーブル充電から解放されるものもいくつか登場しはじめた。
現在、ケーブル充電を必要としないスマートウオッチとして最も実用的といえるのは、マトリックス インダストリーズ社が開発した温度差発電技術を活用したパワーウォッチシリーズであろうか。
こうしたスマートウオッチも完璧というわけでなく、ケーブル充電が不要な代わりにサイズが妙に大きい、高性能なデジタルディスプレイが採用できず多彩な機能や表現が難しく機能的に物足りないなど課題はあるが、スマートウオッチにおける動力の問題は、今後も重要なポイントになるはずだ。
写真はスイスのメーカー、SEQUENT(シーケント)が発表した“SuperCharger(スーパーチャージャー)”というスマートウオッチ。
このスーパーチャージャーは、動力となる電力を得るのに自動巻き機構を利用した自動充電技術を採用。時計を装着して腕を動かすたびに自動巻きローターが回転することで発電し、動力を得る技術である。なお、これは日本未発売の未上陸商品。いわゆる技適(電波法に基づく技術基準適合証明)には対応していないため、日本では使用することは難しい(原則として、日本の法律に定められた手続きを踏んだ製品を日本で使用すると電波法違反となるため注意)。
【実機レビュー】
MATRIX(マトリックス)
パワーウォッチ シリーズツー
充電不要のスマートウオッチの最新モデル。本モデルでは、物体の温度差が電圧に直接変換されるゼーベック効果を利用した温度差発電に加え、太陽光発電技術を導入した。充電効率がアップし、安定して電力確保ができるようになったこともあり、多くの電力を消耗する心拍数計測機能やGPS 機能などの新機能が搭載された。
■アルミニウムケース、シリコンストラップ。ケース径47mm。200m防水。充電式。6万5780円
従来よりも小型化に成功しているとはいえ、47mmとサイズはまだ大きく実用を考慮して軽量なアルミニウムケースを採用。200m防水を確保しているというところもスゴい。
唯一無二の発電量表示がユニーク
最も重要な発電量はスマートウオッチ本体のディスプレイに見られる赤いバーでも表示されるが、アプリではより詳細なデータをチェックできる。またほかのスマートウオッチと同様、各データの詳細もアプリでチェック可能だ。
【問い合わせ先】
ビーラボ
TEL:03-3288-3275
ビーラボ公式サイト
https://www.b-labinc.jp
文◎佐藤杏輔(編集部)/写真◎水橋崇行